2021 Fiscal Year Annual Research Report
3MeVビームの多重照射に耐えられる高靭性タングステン材料の開発
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21H01069
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
平野 耕一郎 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究副主幹 (30446463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江里 幸一郎 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂核融合研究所 ITERプロジェクト部, グループリーダー (30354624)
徳永 和俊 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (40227583)
福田 誠 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂核融合研究所 ITERプロジェクト部, 主任研究員 (70757666)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ビーム照射試験 / ビームターゲット / ダイバータ / タングステン |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、ITER用タングステンの試料を製作し、作製した試料に対するビーム(水素負イオン)の繰り返し照射試験をJ-PARC加速器の3 MeVリニアックにおいて実施した。この試験では、試料表面の最大ピーク温度を放射温度計で測定するとともに、放出されたガスのイオン電流を静電四重極質量分析装置(QMS)で測定した。試料に対する熱負荷は、ビームパルス幅を変化させて決定した。決定したパルス幅を基に、試料に対して、表面温度の加熱(700℃及び1800℃)と冷却(約100℃)の温度変化を5 Hz周期で繰り返し与えた。デジタルマイクロスコープ及び走査型電子顕微鏡(SEM)による試料表面の観察を行い、ビーム照射によるタングステンの表面性状の変化を分析した。その後、試料の断面観察のために切断加工を行った。現在、切断した試料について、SEM及び電子後方散乱回折装置(EBSD)等を用いた表面形状・内部組織の観察を行うとともに、応力解析を実施中である。 さらに、高靭性タングステン材料の開発に関しては、WTiC合金を製作するためにパルス真空アーク放電を利用してTiCをタングステン粉末に蒸着する方法を検討した。また、WTiC合金の製作工程で酸素濃度を極力低減させる必要があるため、タングステン粉末の製作方法及び合金製作装置について検討し、各製作工程において製作された材料の分析方法について検討を行った。酸化されていないタングステン粉末の準備を行い、令和4年度早々にWTiC合金を製作する準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ITER用タングステンの試料の照射試験に関しては、計画通り実施し、試料の観察及び解析を実施中である。また、高靭性タングステン材料に関しては、製作方法の検討を行い、令和4年度早々に実施できるように準備を行っている。これらのことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に引き続き、ITER用タングステンの試料を作製し、作製した試料に対するビーム(水素負イオン)の繰り返し照射試験を、J-PARC加速器の3 MeVリニアックにおいて行う。試料に対する熱負荷を増加させ、表面温度を3000℃まで増加させて照射を行う。また、長時間照射を行って、損傷の変化を調べる。さらに、カリウムをドープさせた試料や再結晶させた試料などを製作し、ビーム照射によるタングステンの表面性状の変化を比較する。 パルス真空アーク放電を利用して、TiCをタングステン粉末に蒸着させたWTiC合金を製作し、結晶粒の結合の強化処理を行った高靭性タングステン材料の試作を行う。試作を行った試験片の表面形状・内部組織を観察するとともに、応力測定及び応力解析を行う。
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