2021 Fiscal Year Annual Research Report
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21H01092
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北口 雅暁 名古屋大学, 素粒子宇宙起源研究所, 准教授 (90397571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細畠 拓也 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 上級研究員 (00733411)
日野 正裕 京都大学, 複合原子力科学研究所, 教授 (70314292)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 暗黒エネルギー / 中性子干渉計 / パルス中性子 |
Outline of Annual Research Achievements |
多層膜冷中性子干渉計の開発を進めた。ミラーなどデバイスの配置にともなう干渉縞の位相が幾何光学によって説明できることを実証した。利用波長帯域を拡大するための、干渉計用スーパーミラーの開発を進めた。京都大学複合原子力科学研究所のイオンビームスパッタ装置でミラーを作成した。各種物質の中性子散乱長の測定のための、試料挿入・制御装置を開発した。J-PARC中性子ビームラインにて、動作試験を行なった。温度変化などにともなう位相変化を抑制するために、恒温槽を整備し、温度依存性が測定できるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多層膜冷中性子干渉計の開発を進めることができている。J-PARC中性子ビームラインで実際に干渉計を動作させ、基本的な特性を評価する実験を行なった。干渉縞の位相が幾何光学によって説明できることを実証し、開発した干渉計が実用にたるものであると示した。第一の目標である、各種物質の中性子散乱長の測定のために、干渉計の経路の片方に測定試料を挿入し位置を高精度に制御するための装置を開発し、実際に動作させた。また長時間ドリフトをモニターし解析によって除去する手法を開発した。恒温槽を整備し、温度についてもモニターできるようにした。いよいよ各種物質の中性子散乱長の実測定を行えるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
いくつかの原子核について、実際に中性子散乱長を測定する。試料の形状精度が重要なので、理研の精密加工技術を活用し準備する。実証実験は現在開発済みの干渉計を用いる。同時に、利用できる中性子波長帯域を拡大するための、中性子スーパーミラーの開発を進める。J-PARCや研究用原子炉を用いてその反射特性を確認し、干渉計用デバイスを作成する。広帯域干渉計の開発を進め、高統計での実験に備える。暗黒エネルギー探索実験の可能性の検討を進める。
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Research Products
(3 results)