2023 Fiscal Year Annual Research Report
背景事象識別能力を有する高感度シンチレーターによる宇宙暗黒物質探索
Project/Area Number |
21H01104
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池田 晴雄 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 助教 (90400233)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 宇宙暗黒物質 / 極低放射能環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2021年度に作成した宇宙暗黒物質を探索するための高純度NaI結晶の作成と背景事象を感知するためのシンチレーションフィルムを組み合わせた検出器の測定を行った。そののち、2022年度に作成した、シンチレーションフィルムの厚さを2021年度のものと比較して倍にした検出器の測定を行った。 本研究では、高純度NaI結晶やシンチレーションフィルムからのシンチレーション光を最大限とりだせるように円柱型の結晶の底面両方に窓をつけた両読み出し型のハウジングをもちいたのだが、放射線源による発光量やエネルギー校正を行った結果それぞれの底面から観測されるシンチレーション光の分解能がちがうという現象が観測された。これによって両方のシンチレーション光を合わせた解析において分解能の評価をどう行うかについて解析を行いなおす必要が生じた。これの明確な原因は不明であるが円柱型の結晶を削り出し成型したときの底面の平行が若干ずれていてハウジング内に隙間を生じたなどの理由が考えられる。今後は結晶ハウジングの工作精度向上についても考察する必要があると判明した。 データ測定に関しては、神岡地下実験室内に設置した鉛シールドの中で観測を行った。ここでの観測は宇宙線や環境放射線の影響を非常に少なくするというメリットがある一方で、シールドの開閉に人数が必要であるというデメリットがあり、一度観測を開始すると結晶の交換や放射線源を用いたキャリブレーションを行うことのできる回数が非常に制限されるものとなった。また鉛シールドまわりの電気的グラウンドが不安定であることが観測開始後発覚し、ノイズ除去に時間をかけることにもなった。
|
Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|