2023 Fiscal Year Annual Research Report
Nonthermal processes in lightning and thunderclouds revealed by observations at ground and high mountains
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21H01116
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
土屋 晴文 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究副主幹 (70415230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 和正 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (10401291)
和田 有希 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (40879144)
小井 辰巳 中部大学, 工学部, 教授 (60831774)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 粒子加速 / 雷雲 / 放射線計測 / 北陸地域 / チベット高山 |
Outline of Annual Research Achievements |
地上や高山において雷の発生や雷雲の通過に伴い、高エネルギー放射線が観測されている。これらの放射線は、雷や雷雲中の電場によって高エネルギーに加速された電子が制動放射によって放っていると考えられている。しかし、地上や高山などさまざまな地域で観測される放射線の性質が大きく異なることが分かってきた。加えて近年では、雷雲からの放射線と雷の発生との関連性も示唆されており、放射線発生メカニズムの解明には、放射線観測を含めた多角的なアプローチが重要となってきている。 2015年以降、金沢市近郊に開発した放射線検出器を設置するとともに、電波観測との連携も推進してきた。この電波観測との連携の結果、1分ほど継続した雷雲からの放射線が雷の発生とともに突然消滅する事象を捉えた。これは、高エネルギー放射線の生成の元となる電場が雷によって減衰(あるいは消滅)したと考えられ、放射線発生メカニズムの解明に欠かせない電場強度や電荷分布に関する知見に繋がる成果であった。 地上での高エネルギー放射線の観測に加えて、チベットの高山に設置された宇宙線観測装置で得られた雷雲からの放射線の時間的なパターンを調べた。まず、高山の雷雲からの放射線は、典型的には20分ほど継続し、最大で1時間ほど続く場合もある。これは、北陸地域の雷雲からの放射線が数分ほどしか継続しないことと比べると、大きく異なる。また、北陸地域の放射線は冬によく観測されるが、チベット高山では、雷の発生や降雨が多くなる5月から9月の雨季の時期に放射線がよく発生することが分かった。加えて、高山での放射線の発生には約16年の周期変動があり、太陽活動と比べると3年ほど遅れていることが推測された。これは、雷雲からの放射線の発生に太陽活動や宇宙線が影響を与えている可能性を示唆する。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)