2022 Fiscal Year Annual Research Report
専用装置による小天体衝突過程重力依存性の実証的研究
Project/Area Number |
21H01148
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中村 昭子 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (40260012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 浩二 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 主席研究員 (10396856)
長谷川 直 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 主任研究開発員 (10399553)
岡本 尚也 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 研究員 (80756130)
木内 真人 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 招聘職員 (90896698)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 天体衝突 / クレーター / 小天体 / 微小重力 / レゴリス |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度導入した縦型真空チャンバーの周りに設置したアルミフレームからなる足場を調整した。足場は、砂などの粉体試料容器落下システムの組み立てをチャンバー内で行う際に必要となるほか、実験時にも火薬や弾丸、粉体標的のセットのために用いる。観察窓のある2方向の足場はその方向からの観察が必要な場合には取り外しが可能になるようにした。 今年度購入したメカニカルブースターポンプを用いて、チャンバー内を高速に数Paまで減圧できることを確認した。火薬銃の点火装置が、外部トリガー信号により作動するように改良し、その動作チェックを行った。申請者らが開発した宇宙科学研究所縦型銃用の落下装置をもとにして、本研究のチャンバー内で組み立て可能なレールとアルミフレームを用いた粉体試料容器落下システムを検討した。 宇宙科学研究所の縦型銃を用いて行ってきた模擬低重力での粉体試料への垂直衝突実験の結果をまとめた。試料粉体の平行平板せん断試験のデータ点を増やし、試料粉体の固着力の値を更新した。模擬低重力場での高速度衝突によるクレーターサイズの重力依存性は、遠心加速機を用いた高重力で求められた重力依存性と整合的であること、粉体の固着力のクレーターサイズへの影響、および既存の数値シミュレーションとの比較結果について議論した内容を論文としてまとめ、国際誌に投稿した。クレーター深さとクレーター形状の時間変化に着目し、垂直衝突クレーター形成過程の断面をその場観察する実験を開始し予備的なデータを取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度の資材入荷の遅れのために、真空チャンバーの製作が遅れてしまったため、チャンバー周りの足場の調整を今年度に行うこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の計画は以下のとおりである。 (1)弾丸射出部の開発と試験:火薬銃の整備を行う。主チャンバーに入る火薬ガスを減らすためにサブチャンバーを用意し、サブチャンバーとサボストッパー部の間のガスの経路を設ける。弾丸がメインチャンバー内で標的に衝突する瞬間前後を高速度カメラで撮影して弾丸速度を決定する。火薬量を変えて弾丸速度の調整を行い、点火と弾丸衝突の時間間隔の測定も行う。次に、サボストッパーの試験と開発を行う。火薬銃の銃口の先に弾丸通過用の穴の開いたサボストッパーを置き、その位置と穴直径を変化させて弾丸からサボを分離し、弾丸のみをメインチャンバーに導入するための試験と調整を行う。 (2)容器落下システムの調整:チャンバー内に組み立てたフレームに沿って設置したガイドレールに沿って標的である粉体を入れた容器を落下させる。標的への弾丸衝突のタイミングおよび、容器の落下加速度の安定化のためのレールおよびフレームの調整を行う。 (3)垂直衝突実験:宇宙科学研究所の縦型銃を用いて前年度から開始した垂直衝突クレーター形成過程の断面をその場観察する実験を行う。特に、クレーター深さとクレーター形状の時間変化に着目し、数値シミュレーションとの比較が可能となるデータを収集する。垂直衝突クレーターの重力依存性に関する投稿中の論文の査読対応を行う。
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[Journal Article] Spectral Evolution of Dark Asteroid Surfaces Induced by Space Weathering over a Decade2022
Author(s)
S. Hasegawa, F. E. DeMeo, M. Marsset, J. Hanus, C. Avdellidou, M. Delbo, S. J. Bus, H. Hanayama, T. Horiuchi, D. Takir, E. Jehin, M. Ferrais, J. Geem, M. Im, J. Seo, Y. P. Bach, S. Jin, M. Ishiguro, D. Kuroda, R. P. Binzel, A. M. Nakamura, B. Yang, P. Vernazza
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Journal Title
The Astrophysical Journal Letters
Volume: 939
Pages: L9~L9
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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