2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high speed nail joint method to be recyclable
Project/Area Number |
21H01216
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋村 真治 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (90290824)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 高速打鋲 / 機械接合 / マルチマテリアル / 接合強度 / リサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,リサイカブル高速打鋲接合技術を確立するために,主に次の2項目について研究を実施します. 1.鋲の速度(運動エネルギー)やらせん鋲の先端形状,接合部材の材料特性や剛性が,打鋲時の接合部材の塑性変形や接合強度に及ぼす影響を明らかにする. 2.ブラシレスモータの原理によりらせん鋲を高速回転させて,高速で打鋲する新たな高速打鋲法を提案する. この計画に基づいて,初年度は「らせん鋲による打鋲シミュレーションの実施」と「打鋲試験によるシミュレーションの検証と被接合部材の変形メカニズムの解明」を計画していました.「らせん鋲による打鋲シミュレーション」の研究状況は,解析ソフトとしてLS-DYNAを導入して打鋲シミュレーションを実施しましたが,鋲貫通時の接合部材の破壊基準の設定に不具合を生じ,適切な解析結果を得ることができませんでした.次に「打鋲試験によるシミュレーションの検証と被接合部材の変形メカニズムの解明」については,鋲を回転させながら準静的な打鋲試験をできる装置を,本研究で導入した油圧サーボ試験機に取付けて実験を行いました.しかし疲労試験機の軸剛性に低く,鋲を貫通させる際に疲労試験機の軸が曲がって鋲が傾いたことで,目論見通りの実験が行えませんでした. 以上の当初計画の内容以外に,2年目に予定していた「ブラシレスモータの原理による鋲への高速回転の付与」について,予備試験と試験機の設計を行いました.予備試験の結果,鋲を含めたサポート弾を高速で回転させることが可能になりました.この結果を基に,ブラシレスモータの軸を中空にして,鋲を含むサポート弾を内包することで,高速回転させて射出するできる打鋲装置を設計しました.以上のように,当初の計画内容については遅れを生じていますが,2年目の内容に踏み込めたことから,総合的に考えると80%程度の実績を得たと考えています.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究において,初年度の計画内容の進捗に遅れが生じているのは,「らせん鋲による打鋲シミュレーション」と「準静的な打鋲試験」を予定通りに実施できなかったことが原因です. 「らせん鋲による打鋲シミュレーション」が遅れた理由としては,解析ソフトとして導入したLS-DYNAでのモデリングに時間を要したこと,またらせん鋲が被接合部材を貫通する際の破壊クライテリオンの選定に時間を要したこと,さらにシミュレーションに必要な被接合部材の適切な材料定数を得ることができなかったことが挙げられます.これらの問題に関して,モデリングはすでに完了し,適切な破壊クライテリオンも決定していますので,被接合部材の材料定数を材料試験により測定することで,状況を改善できると考えています.次に,「準静的な打鋲試験による打鋲時の変形メカニズムの解明」に遅れを生じた理由としては,接合部材の疲労試験と準静的な打鋲試験の実施のために導入した油圧サーボ疲労試験機の導入時期が遅れたこと,油圧サーボ疲労試験機のアクチュエータ軸の剛性が低くく,打鋲試験機を取付けて準静的打鋲試験を実施したところ,鋲が被接合部材を貫通する過程で疲労試験機の軸が傾き,鋲が不安定に傾いてしまったことで,準静的打鋲試験が失敗したことが挙げられます.この問題の原因は,鋲が被接合部材を貫通する際に傾くことなので,現在は鋲が傾かないように試験装置を改良するとともに,鋲を傾きにくい形状にすることを検討しています. 現時点で,「打鋲シミュレーション」と「準静的な打鋲試験」の両方が完了おらず,被接合部材の変形と鋲形状の関係や,被接合部材の変形メカニズムの解明までは至っていません.一方,2年度に実施予定であった「ブラシレスモータの原理による鋲への高速回転の付与」について,初年度に予備試験を行い,打鋲装置の設計もできたことから,ある程度のリカバリーはできたと考えています.
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究において,初年度の計画内容の進捗に遅れが生じているのは,「らせん鋲による打鋲シミュレーション」と「準静的な打鋲試験」を予定通りに実施できなかったことが原因です. 「らせん鋲による打鋲シミュレーション」が遅れた理由としては,解析ソフトとして導入したLS-DYNAでのモデリングに時間を要したこと,またらせん鋲が被接合部材を貫通する際の破壊クライテリオンの選定に時間を要したこと,さらにシミュレーションに必要な被接合部材の適切な材料定数を得ることができなかったことが挙げられます.これらの問題に関して,モデリングはすでに完了し,適切な破壊クライテリオンも決定していますので,被接合部材の材料定数を材料試験により測定することで,状況を改善できると考えています. 次に,「準静的な打鋲試験による打鋲時の変形メカニズムの解明」に遅れを生じた理由としては,接合部材の疲労試験と準静的な打鋲試験の実施のために導入した油圧サーボ疲労試験機の導入時期が遅れたこと,油圧サーボ疲労試験機のアクチュエータ軸の剛性が低くく,打鋲試験機を取付けて準静的打鋲試験を実施したところ,鋲が被接合部材を貫通する過程で疲労試験機の軸が傾き,鋲が不安定に傾いてしまったことで,準静的打鋲試験が失敗したことが挙げられます.この問題の原因は,鋲が被接合部材を貫通する際に傾くことなので,現在は鋲が傾かないように試験装置を改良するとともに,鋲を傾きにくい形状にすることを検討しています. 現時点で,「打鋲シミュレーション」と「準静的な打鋲試験」の両方が完了おらず,被接合部材の変形と鋲形状の関係や,被接合部材の変形メカニズムの解明までは至っていません.一方,2年度に実施予定であった「ブラシレスモータの原理による鋲への高速回転の付与」について,初年度に予備試験を行い,打鋲装置の設計もできたことから,ある程度のリカバリーはできたと考えています.
|