2021 Fiscal Year Annual Research Report
三次元ナノ空間構造体による接合界面の応力場制御と異種接合技術への展開
Project/Area Number |
21H01219
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
細井 厚志 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60424800)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 英治 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70436559)
須賀 健雄 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (10409659)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 異種接合 / CFRTP / 金属 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,車両重量の軽量化による燃費向上が求められている.そこで,比強度,比剛性,リサイクル性に優れ,プレス成型可能な炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Thermoplastics : CFRTPs)を適材適所に用いた材料のマルチマテリアル化が進められている.金属とCFRTPの接合方法において,従来の接着剤接着や機械的締結は重量増加や品質管理の問題があり,新たな接合技術が求められている.これまで,アルミニウム合金表面にナノ構造を作製し,シランカップリング処理による化学結合によって直接接合する方法を提案してきた.繊維強化複合材料の層間破壊靭性評価方法としてDouble Cantilever Beam (DCB)試験がASTMやJIS規格に規定されており広く用いられているが,その評価手法は線形破壊力学に基づいており,材料の塑性変形が生じるほどの強固な直接接合試験片に対して破壊靭性を正しく評価できない.そこで本研究では,異種接合材の弾塑性特性および熱残留応力を考慮できる理論モデルの構築と実験的評価方法の提案を目的とした.J積分はき裂成長に伴うポテンシャルエネルギの変化量であり,DCB試験片をモデル化とすると,境界条件から荷重Pが寄与する機械的J積分,Jmechの値は,荷重Pと,荷重点のたわみ角θによってのみ決定される.一方で,熱残留応力による熱的エネルギーJtherは接合部のみ影響を受ける.計算の結果,機械的および熱的エネルギーは互いに独立していることが分かった.重ね合わせの原理よりこれらの合計が,熱残留応力を有する異種材接合試験片の塑性変形を考慮した見かけの層間破壊靱性と言える.実験結果から,機械的エネルギーのみを比較した場合,線形破壊力学を仮定したエネルギー解放率Gでは破壊靱性を過大評価していることが分かった.一方で数値シミュレーションとの比較はJ積分の実験結果とよく一致していることが示された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響で物品の納期に遅れなど生じたが、その後状況が改善し概ね計画通りに研究を推進できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
界面の凹凸構造が接合界面の破壊靭性に影響を及ぼしており、最適な凹凸構造を実験及び解析的側面から明らかにしていく。
|
Research Products
(7 results)