2021 Fiscal Year Annual Research Report
高速・高分解能な光加工計測を実現する近接場位相共役レンズの開発
Project/Area Number |
21H01226
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
臼杵 深 静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (60508191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
關根 惟敏 静岡大学, 工学部, 助教 (00765993)
三浦 憲二郎 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (50254066)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 近接場光学 / 位相共役 / 散乱レンズ / 光パターニング / レーザー干渉 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表的な高分解能光加工技術のフォトリソグラフィはフォトマスクの作成・交換,代表的な高分解能光計測技術の近接場光学顕微鏡はプローブスキャンがそれぞれ必要であり,一般的には分解能とスピード(効率)がトレードオフの関係となっている.本研究では,独自に開発した近接場光位相共役によるサブ波長集光スポット生成技術を拡張し,高分解能光パターニングのための近接場位相共役レンズの開発を行う.分解能とスピードのトレードオフを解消し,サブ波長分解能(0.1um),広範囲(10mm× 10mm),機械的運動を伴わない高速パターニング(毎秒30パタ ーン)を同時に実現することを目的とする. 提案手法である近接場位相共役レンズシステムは,「近接場プローブによる微小光源」「散乱光の波面計測」,「位相マップの重ね合わせと位相共役計算」,「位相共役光の再生」で構成されている.2021年度においては,位相シフト干渉法に基づいた波面計測システムの開発,位相マップの重ね合わせと位相共役計算,位相共役光の再生についての実験的検証,近接場プローブによる微小光源生成システムの開発を行った.位相共役光の再生については,ピクセルマッチングにより,無散乱体場では,入射光に即した位相共役光の再生が確認ができた.一方で,散乱体場では,位相共役マップ投影時に集光スポットを確認できたが,集光スポット付近は散乱抑制が不十分な結果となった.光学系の綿密な調整と校正により集光精度の改善が期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近接場プローブによる微小光源生成システムは開発中であり,位相共役光の再生については精度向上が必要であるが,これまでに,位相シフト干渉法に基づいた波面計測システムの開発,位相マップの重ね合わせと位相共役計算,位相共役光の再生についての実験的検証,を行うことができたということもあり,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度においては,近接場プローブによる微小光源生成システムの開発を進めると共に,光学系の綿密な調整および校正により位相共役光の再生精度向上について取り組む.さらに,近接場位相共役レンズを散乱レンズとして考えた場合のレンズ設計を目的としてFDTD法に基づいたシミュレーションを実施する.近接場プローブのモデル化について検証するとともに伝搬光による集光スポットの空間位置制御についても検討を進める.
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