2021 Fiscal Year Annual Research Report
Ensuring volumetric accuracy of an industrial robot to extend its offline programming applications
Project/Area Number |
21H01228
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
茨木 創一 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (80335190)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 産業用ロボット / 運動精度 / 幾何学モデル / 測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. ロボットの精緻な幾何学モデルの提案と同定法の構築: 6軸ロボットの3次元位置決め誤差を高精度に予測するために,従来研究のほとんどが誤差要因と考えている「DHパラメータ」の誤差(リンク長,回転軸の初期角度,回転軸同士の平行度・直角度の誤差)に加え,各回転軸の角度位置決め誤差をルックアップテーブルの形でモデル化した,新しい幾何学モデルを提案した.また,このモデルを実験で同定する手法を構築した.ロボットの手先の3次元位置をレーザトラッカを用いて測定し,モデルを逆に解くことで,各軸の角度位置決め誤差を同定するアルゴリズムを作った. 2. 提案したモデルの予測精度の検証: 提案したモデルの予測精度を実験で調べた.任意の動作経路に対する,位置決め誤差(軌跡精度)を提案したモデルで予測し,実際の誤差との差をレーザトラッカ測定で比較した.従来モデルと比べて,明確に高い予測精度を示すことを確認した.また,このモデルを用いて,予測した位置決め誤差をキャンセルするように指令軌跡を修正することで,誤差を補正する実験も行った.その結果,従来モデルと比べると明確に高い補正性能を示すことを確認した. 3. 提案したモデルの改善: 提案したモデルの予想精度をさらに改善するために,軸間の精度干渉をモデル化する方法を構築した. 6軸ロボットは,姿勢によって,重力が手先の位置決め誤差に及ぼす影響が変化する.この影響をモデルに含めることで,予測精度をさらに向上できることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の学術的に新規な点は,6軸ロボットの3次元位置決め誤差を高精度に予測するために,新しい幾何学モデルを提案することにある.本年度において,このモデル自体,及び,このモデルを実験で同定する方法が確立できた.また,このモデルによる3次元位置決め誤差の予測精度を,様々な動作経路や,異なる幾つかの6軸ロボットを使って,実験で検証したところ,ほぼすべて条件で,従来モデルと比べて明確に高い予測精度を示すことを確認した.また,このモデルを使った誤差補正も試験し,高い補正性能を確認した.そのため,提案した6軸ロボットの幾何学モデルの基礎は確立できたと考える. 2022年度以降は,このモデルを使って6軸ロボットの3次元位置決め精度を向上することで,どのような新しいアプリケーションをひらくことができるか,その応用に重点を置いて研究を行う.
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Strategy for Future Research Activity |
1. ロボット切削システムの構築と,切削精度の評価:本研究の成果の応用実証として,ロボットを使った切削加工システムへ適用する.切削加工では,工具は複雑な3次元経路に沿って動くので,ティーチングすることは不可能である.ロボットの空間精度が性能に直結する第一のアプリケーションと考える.6軸ロボットの手先に,回転主軸を装備し,切削加工システムを構築する.工作機械向けのISO 10791-7規格に規定された工作試験による精度評価などを実施し,提案した補正法の効果を,加工物の形状精度により検証する. 2. アーム型座標測定器への適用による測定精度の評価:ロボットの空間精度が性能に直結する第二のアプリケーションとして,ロボットを用いた3次元座標計測へ適用する.現在,ロボットの手先に計測器をつけ,対象物の3次元形状を測定する製品が急速に普及しているが,工業製品の形状測定のデファクト・スタンダードである3次元測定器 (CMM) と比べて,測定精度は大幅に低い,と一般に認識されている.市販のアーム型座標測定器を対象として,本研究の提案を適用する.提案法により保証できる測定精度を検証する.
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Research Products
(7 results)