2022 Fiscal Year Annual Research Report
ガスタービンコンプレッサー流動・エアロゾル・凝縮・付着マルチフィジックスの探求
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21H01241
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 悟 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (90192799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 弘法 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (20844335)
古澤 卓 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (80637710)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 数値流体力学 / ガスタービン / 圧縮機 / 凝縮モデル / 付着モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
エアロゾルなどの微小粒子を核にした高湿度空気の凝縮により生成される凝縮液滴を支配する数理モデルと凝縮液滴が翼に付着する際の付着量を推定する付着モデルを組み合せたハイブリット数理モデルを用いて、産業用実機ガスタービン(GTC)の圧縮機の三次元静動翼列流れをパラメトリックに数値解析した。並行して、航空用GTCを想定した同様の数値解析も実施した。具体的には、まず電力負荷変動に対応するため実施されている部分負荷条件での発電用GTC遷音速圧縮機の入口案内翼+1.5段の多段静動翼列の湿り空気流れを数値解析して、部分負荷運転が性能に与える影響について検証した。その研究成果は、2022年6月にロッテルダムで開催されたASME Turbo Expoで発表した。さらに、その湿り空気が遷音速圧縮機の静動翼列翼表面へのエアロゾル付着に与える影響を上記の数理モデルにより推測した。その結果、凝縮により半径が増大したエアロゾルを核とする凝縮液滴がその付着に深く関わっていることを明らかにした。本研究の成果は、日本ガスタービン学会定期講演会で発表した。一方、航空用GTCの遷音速圧縮機を模擬したNASA Stage 37を対象にして、最近注目されている境界層流入型(BLI)エンジンにおける非一様流入条件を仮定した湿り空気流れを数値解析して、 非一様流入が湿り空気流れに与える影響を検証した。その結果、湿り度が増加するにつれて、翼列周方向に局所的な剥離渦が形成されることが明らかになった。これは、BLIエンジンにおいて、湿り空気がその不安定性を助長する恐れを示していることを示唆している。本研究の成果は、日本ガスタービン学会定期講演会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、構築した数理モデルを用いて、産業用実機GTCの三次元静動翼列流れに対して、パラメトリック解析を実施して、さらに航空用GTCを想定した同様の解析を実施することであったが、この当初目標はすべてクリアすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度数値計算を実施した産業用GTCの遷音速圧縮機については、構築した数理モデルの検証はすでに完了した。次年度においては、設計状態だけでなく、様々な条件を設定したパラメトリック計算を実施して、それらの相関を明らかにする予定である。また、航空機用GTCについては、より現実的な大気環境を考慮して計算できる数理モデルの構築を試みる。
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