2021 Fiscal Year Annual Research Report
渦生成・発達・消滅過程の定量的解析と高効率壁乱流制御への応用
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21H01245
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岩本 薫 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50408712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光石 暁彦 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (90456715)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 壁乱流 / 渦 / 輸送方程式 / 直接数値計算 / 乱流制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
壁に沿う乱流場の核心的構造である「渦」の生成・発達・消滅過程を含むライフサイクルを,新たに導出した渦構造の輸送方程式を用いて定量的に解明し,さらに,従来勘案できなかった渦の時間発展に着目し,摩擦抵抗の高効率な低減制御手法を確立することを目的として,以下の3項目を実施した. ①新規に導出した渦構造の輸送方程式各項の流体力学的特性を定量的に明らかにした.具滝的には,右辺各項の統計量分布を算出し,渦の時間発展への各項の寄与を定量的に示した.まず,各項の総和がゼロになることから,必要十分な統計時間が確保されていることを確認した.各項のおおよその分布として,生成項と粘性項がどの位置でもほぼ釣り合っており,第3不変量の寄与は相対的に小さい.また,生成項は粘性底層で負であり,緩和層・対数領域で幅広く正の寄与を持つことが分かった(粘性項はその逆). ②流れの瞬時場の可視化により,渦の生成・発達・消滅領域を定性的に同定した.複雑な渦構造の時間発展であり,普遍的知見を見出すのは困難であるため,ミニマル流を導入した.その結果,渦が生成する領域を事前に把握することが可能となった.また,同一の渦構造内でも成長,減衰する場所が混在するなど新たな知見を得た. ③渦の輸送方程式を用いて,摩擦抵抗低減を目的とした乱流制御手法が渦の生成・発達・消滅過程に与える影響を定量的に明らかにするために,本年度では,壁面の微小振動を流れ方向に伝播させる進行波制御を取り上げた.渦構造の輸送方程式を適用できるように計算コードの改変を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載された本年度の研究実施計画を全て実施したため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に対象とした低レイノルズ数のチャネル乱流だけでなく,高レイノルズ数壁乱流に特徴的な構造である渦のパケット構造の時間発展も定量的に明らかにする.また,今年度に対象とした壁面の微小振動を流れ方向に伝播させる進行波制御だけでなく,壁面に微細な溝を設置するリブレットや,壁面からの吹き出し吸い込み制御も取り上げ,総じて,渦生成の抑制効果,渦の発達の抑制効果,渦の減衰の活性化効果の各評価を統計的手法,可視化手法を駆使して定量的に求める.
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Research Products
(11 results)