2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation and modeling of successive fragmentation cascade of metal droplets
Project/Area Number |
21H01251
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 智博 九州大学, 工学研究院, 准教授 (70466788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 振英 九州大学, 工学研究院, 助教 (20896633)
高橋 厚史 九州大学, 工学研究院, 教授 (10243924)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 液体金属 / 液滴 / 熱物質拡散 / 連鎖分裂 / 表面張力 / 可視化 / 数理モデル / 凝縮相 |
Outline of Annual Research Achievements |
気液界面を有する液滴は,1度の分裂しか経験しないという従来の流体工学的な制約により,微細噴霧を生成する際のエネルギー効率は,わずか1%にも満たない.対して本研究は、成長著しい金属粉末製造技術へ応用すべく,液滴が分裂を繰り返す『連鎖分裂』を対象として,現象を律速する未知の機構を,高速度可視化とX線分析を組み合わせた複合的アプローチにより実験的に探究するとともに,体系的な数理モデルを開発することが主眼である. 安全かつ安定的に金属液滴を生成する工夫として,供試金属(炭素鋼・チタン等)をグラインダーで研磨した.加えて,本年度は,チタンやアルミニウム粉末を含む手持ち花火も使用した.金属微粒子は飛行しながら表面の酸化熱によって昇温し,やがて融解して金属液滴に相変化した後,連鎖的に分裂する.このときの非定常温度変化を,二色温度計測によって計測した.比較的低融点の炭素鋼については,定量的な温度計測に成功した.他方,チタン等の高融点金属については,温度校正範囲の上限温度(約2500K)を上回るため,定量計測は困難であった.採取した金属粒子の断面を,X線分析付き電子顕微鏡を使って分析したところ,酸化層の存在を明確に確認出来た. 並行して,初年度に開発した物質拡散と表面張力を考慮した液滴数理モデルをさらに発展させ,金属液滴の非定常熱収支モデルを構築した.数理モデルと実験結果から,金属液滴の連鎖分裂の律速過程として,雰囲気酸素が液滴内部に浸透する物質拡散であることが,統計的にも明らかになりつつある. これら,連鎖分裂の非定常可視化と数理モデルを中心とした本年度の成果を国内外の学会で発表し,査読付き論文を掲載するなど重要な成果を上げた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験と数理モデル開発ともに,調書の計画に従って,順調に進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
調書の計画をさらに推進すべく,今後は金属液滴内部のX線分析をサンプル数を増やして実施するなど,新たな分析手法を加えながら,実験と数理モデル開発を高度化する. 研究遂行にあたって問題はない.
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Research Products
(18 results)