2021 Fiscal Year Annual Research Report
Non-destructive inspection of large structures based on laser-induced plasma shock wave excitation technique and polarization interferometer
Project/Area Number |
21H01279
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
細矢 直基 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40344957)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レーザー誘起プラズマ / 衝撃波 / 非破壊検査 / Lamb波 / 偏光干渉計 |
Outline of Annual Research Achievements |
航空機など大型構造物の欠陥や損傷の検出は,検査員の目視による方法が一般的である.広域の非破壊検査を短時間で実現するために,応募者は,レーザー誘起プラズマ(Laser-Induced Plasma: LIP)加振により生成されたLamb波(弾性波)を用いる方法を実現した.本手法により,非接触非破壊で人工的に設けた亀裂を検出できた.接触式デバイスでは100点計測(検査領域は100 mm × 100 mm)に6時間を要していたものを,本手法では2601点計測で40分に短縮することに成功したが,さらなる短縮化が必要である.本研究では,LIP加振と,光の偏光と干渉を組み合わせたLIP偏光干渉計を構築する.そして,本システムによりLamb波を面計測(従来は点計測)することで,広域非破壊検査の時間をさらに短縮する. 令和3年度は,偏光高速度カメラと干渉計を組み合わせた偏光干渉計を構築した.そして,対象物を従来の接触式加振器により振動させ,その応答を本システムと従来のレーザードップラー振動計により計測し,得られた両者の振動応答を比較評価した.これにより,偏光干渉計による振動応答の非接触計測に成功した.この内容は,2021年12月に開催された,[No.21-55] 日本機械学会 第17回「運動と振動の制御」シンポジウム (MoViC2021)/ 第30回スペース・エンジニアリング・コンファレンス [SEC'21]で発表した. 関連研究として,コンクリートインフラ構造物の非破壊検査,透明体材料の非破壊検査,超音波領域で駆動するソフトアクチュエータ,伸縮性センサなどに関する論文が公表された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
偏光高速度カメラと干渉計を組み合わせることで,偏光干渉計を構築した.計測対象構造物を,直径100 mm,厚さが15 mmのミラーとした.これを接触式電磁加振器で加振し,これによる応答を偏光干渉計とレーザードップラー振動計で計測した.偏光干渉計における計測条件は,フレームレート,撮影フレーム数,ピクセルサイズ,計測領域をそれぞれ100000 fps,1000,96 × 160 pixel,直径95mmの円とした.このピクセルサイズは,レーザードップラー振動計による点計測に換算すると,15,360点を同時に計測していることと同じになる.レーザードップラー振動計では,計測点を21とした.偏光干渉計とレーザードップラー振動計で得られた固有振動モード形を比較したところ,両者はよく一致することがわかった.これにより,偏光干渉計による面計測に成功した. 関連研究として,コンクリートのインフラ構造物の欠陥検出を検討した.人工的な欠陥(浮き)を設けたコンクリート供試体に,LIP衝撃波による加振力を作用させ,そのときの応答をレーザードップラー振動計で計測することで,固有振動数及び固有振動モードを調べた.コンクリート供試体にRayleigh波を生成し,この波の伝播を可視化した.これにより,コンクリート供試体の欠陥検出に成功した.また,LIP衝撃波により透明体材料にS0モードのLamb波を生成し,これを偏光高速度カメラにより計測した.そして,人工的に設けた数百マイクロメートル程度の大きさのスクラッチの検出に成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
偏光干渉計にLIP衝撃波を組み合わせた,LIP偏光干渉計を構築する.従来の接触式加振デバイスから非接触式のLIP加振に切り替える.計測対象構造物は,令和3年度と同様のミラーとする.LIP衝撃波によるインパルス加振により,ミラーに生成された,伝播速度が数km/sで振幅が数十nm程度のLamb波の可視化を試みる.まず,はじめに,本システムにより生成されたLamb波を可視化するための最適な条件(撮影速度,露光時間,計測用レーザー光強度,供試体の表面性状など)を調べる.そして,偏光干渉計と市販のレーザードップラー振動計により得られた振動応答を比較評価することで,LIP偏光干渉計の計測精度を評価する.さらに,LIP衝撃波により生成されたLamb波の位相速度や群速度を,Rayleigh-Lamb方程式により得られたものと比較評価することで,本システムにより可視化されたLamb波の計測精度を調べる.
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Research Products
(5 results)