2022 Fiscal Year Annual Research Report
反射音式触覚センシングと身体化ハプティクスによるウェアラブル触診システムへの展開
Project/Area Number |
21H01291
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 由浩 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90432286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 広志 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (80375302)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 触診 / 触覚センサ / 触覚フィードバック / ウェアラブル / 硬さ / 音響 / 感覚運動制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、産婦人科で行われる触診で早産リスク評価に有効な子宮頸管の硬さ評価を行えるウェアラブル触覚センサシステムの開発を目的とする。機械的・電気的安全性に優れる反射音式触覚センシングを活用した柔らかいゴム製のウェアラブルセンサを開発し、力分布から硬さを評価する。 本年度は、昨年度開発した、中央部に開口部を設け、センシング部となる音響経路を指長手方向に対して横向きに2本並べたセンサについて、モデル化および硬さ計測の有効性を確認した。硬さ計測の精度向上を目的に2本の音響経路は剛性が異なるが、センサ全体が柔らかいため、対象だけでなく指の柔らかさの影響も受ける。そこで指も考慮してモデル化を行い、音響経路の剛性(管の厚み)と硬さ計測の関係について解析した。複数の剛性の異なるセンサも試作し解析結果と類似の傾向を確認し、センサのさらなる感度向上に向けた指針を得た。また、センサ情報のフィードバックについて、開口部を設けたセンサを活用して昨年度開発した視覚提示による感覚運動制御支援システムを改良した。本センサでは、検者は直接対象組織を触ることができ、硬さを知覚できる。事前に代表的な硬さの子宮頸管モデルに対して取得したデータベースを基に、センサ情報から各硬さに応じた子宮頸管に対するセンサの回転と屈曲方向の傾きを視覚的に2次元でフィードバック可能にした。さらに、検者自身が知覚した硬さとマッチングさせて、センサの姿勢を適切な状態に変化させられるようにした。硬さの評価方法では、最終的に得られたセンサ情報だけでなく、その姿勢補正の推移の情報も加えて、ロジスティック回帰を用いて硬さ推定を行うことを提案した。実験の結果、本システムを用いることで、硬さ推定の正確性や再現性が向上することを示した。触覚フィードバックについては、硬さを強調して提示する装置を組み込み、その有効性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に開発したセンサおよびフィードバック手法に関する知見を基に、最適化に向けてセンサのモデル化や、検者の知覚も活用したシステムおよび硬さ推定法を開発できた。また、臨床研究も新たに開発したセンサで開始しており、当初の予定通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
センサモデルを基に、センサの安全性などを考慮した上で、子宮頸管の硬さに合わせた音響経路の剛性を設計し、最適化したセンサを開発する。また、開発したフィードバックシステムおよび硬さ推定法を導入したコンパクトなセンサシステムを開発し、臨床研究に導入する。これまでのセンサ出力からの直接的な推定法と比較し、臨床上でのその有効性を確認する。
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