2022 Fiscal Year Annual Research Report
磁気的相互作用を考慮した磁気ギヤードモータのトルク式導出と小型電気自動車への応用
Project/Area Number |
21H01302
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 健二 東北大学, 工学研究科, 教授 (70323061)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 磁気ギヤードモータ / 磁気的相互作用 / 電気自動車 / インホールドライブ方式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、①磁気的相互作用を考慮した磁気ギヤードモータの最適制御法に関する検討、②500N・m級のIPM型磁気ギヤードモータの解析設計・試作試験の他に、③磁石レスモータの一種である、スイッチトリラクタンス(SR)モータと磁気ギヤを組み合わせた新しい磁気ギヤードSRモータの検討を行った。まず、①最適制御法に関しては、昨年度の検討で明らかになった磁気的相互作用を活用することで、IPM型磁気ギヤードモータを大トルクで駆動するためには遅れ電流位相角で制御すれば良いこと、逆に高力率・高効率で駆動するためには進み電流位相角で制御した方が良いことを明らかにした。次いで、②については、まずFEMによる解析設計を行い、最大トルクと不平衡電磁力の観点から磁気ギヤ部のギヤ比を8.33に選定するとともに、ギヤ部およびモータ部の各部寸法を調整することで、目標トルクを満足可能な形状寸法を明らかにした。続いて、設計した磁気ギヤードモータの試作試験を行った結果、ほぼ設計通りの鎖交磁束やトルクなどの特性が得られることを実証した。また、遅れ電流位相角で駆動を行った結果、磁気的相互作用により最大トルクが増加することも実証され、トルク密度83N・m/Lを達成した。最後に、③については、これまでの検討によって、本研究で提案するIPM型であっても、移動体に要求される幅広い速度-トルク特性を実現することは必ずしも容易では無いことが明らかとなった。また、磁石使用量が他の磁石モータと比較して多いというのも解決すべき課題である。そこで、低速・大トルクから高速・低トルクまで幅広い速度-トルク特性の実現を目指し、磁気ギヤとSRモータを一体化した新しい磁気ギヤードモータを考案し、種々検討を行った。その結果、SRモータは弱め界磁制御無しに低速・大トルクから高速・低トルクまで幅広い速度-トルク特性が実現可能であることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、磁気的相互作用を考慮した磁気ギヤードモータの最適制御法を明らかにするとともに、500N・m級のIPM型磁気ギヤードモータの試作試験も成功したのに加えて、これまでの成果と新たに明らかになった課題に対して、スイッチトリラクタンス(SR)モータと磁気ギヤを組み合わせた新しい磁気ギヤードSRモータを考案し、その有用性を示すことができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、今回得られた知見を活用して、IPM型磁気ギヤードモータの改善に加えて、新たに考案した磁気ギヤードSRモータの実証実験も行う予定である。
|
Research Products
(4 results)