2023 Fiscal Year Annual Research Report
Quantum-noise randomized secure optical fiber and microwave wireless communications
Project/Area Number |
21H01329
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
谷澤 健 玉川大学, 量子情報科学研究所, 教授 (10709489)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 物理レイヤ暗号化 / 無線通信 / ミリ波 / 光ファイバ通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,超スマート社会を支える将来の通信システムのセキュリティ向上を目指して,不変・不可避な光の量子雑音の存在により信号の盗聴を防ぐ物理レイヤ暗号化を,光有線と電波無線が統合した通信システムにて実現することを目的としている.従来周波数の高い光波においてのみ定量的な安全性保証が実現可能とされてきた物理レイヤ暗号化を,申請者が独自に提案した光ヘテロダインを用いた手法により,電波帯のマルチキャリア無線通信に展開する.2023年度(最終年度)は,アナログ光伝送を通じて発生した量子雑音マスキングにより秘匿化された信号をミリ波帯で無線伝送する実験を行い,光有線と電波無線のシームレスなセキュリティ強化を実証する研究計画であった. 本年度の研究では,昨年度確立した強度変調・直接検波方式の光アナログ伝送による中間周波数(IF)帯の量子雑音マスキング暗号化直交周波数分割多重(OFDM)信号生成技術に,ミリ波帯への周波数アップコンバージョンを導入した.サブハーモニック・ミキサを用いて60GHz帯へとアップコンバージョンしたミリ波暗号化信号を,アンテナペアを用いて実験室内で無線伝送した.暗号化信号をダウンコンバージョンした後に受信し,共通鍵による復号後に,誤り訂正符号閾値を下回る適切な信号品質が得られることを確認した.実験では,ミリ波伝送の距離は実験装置の制約上で3m程度であった.そこで,昨年度に引き続き理論検討を発展させ,ミリ波伝送の距離(損失バジェット)と安全性の関係を検討し,実験制約を超える条件での安全性と通信品質を検討した.このように,実験実証に加えて,光有線と電波無線を統合した全体システムとしての設計論を確立した. 以上の研究成果を,IEEEの論文誌2編に発表したほか,国内外の学会にて発表した(うち一件は招待講演).
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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