2021 Fiscal Year Annual Research Report
Noninvasive visualization of change in temperature in living body using ultrasound
Project/Area Number |
21H01337
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長谷川 英之 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (00344698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 邦公 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (30293343)
長岡 亮 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (60781648)
高雄 啓三 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (80420397)
大村 眞朗 富山大学, 工学部, 特別研究員 (90897703)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超音波 / 温度計測 / 非侵襲 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請者らは,模擬生体組織および生体組織を用いた実験により,温度上昇に伴って超音波散乱波の統計量が変化することを確認しており,統計量の変化を,超音波散乱波の振幅分布を表現する確率密度関数のパラメータの変化として検出できることを示している.しかし,その機序については十分に説明できていない状況であった.本申請者らは,生体組織の熱膨張率を考慮した有限要素法シミュレーションにより,温度変化により発生する生体組織の膨張を推定し,膨張に応じた超音波散乱体密度の変化を再現した.生体組織の温度が変化すると,生体組織の音速も変化することが知られていることから,温度上昇に伴う音速の変化も考慮した.上述のように加温中の生体組織を再現し,加温過程において得られる超音波散乱波をシミュレーションすることにより,超音波散乱特性の統計量の変化を検討した.その結果,温度変化がわずかである場合には音速の変化による影響を受けるものの,本研究で想定している温熱治療時の温度変化範囲では,超音波散乱波の統計量の変化は散乱体密度の変化によりもたらされることが示され,本研究で着目している現象の機序を明らかにすることができた. また,超音波散乱波の計測を行うための超音波プローブの仕様検討も行った.生体での温熱治療中に温度変化を計測しようとする場合には,呼吸などによる体動が想定される.そのような影響を低減するため,体動による組織の動きを追跡しながら超音波散乱波の統計量の計測を行うことを想定している.動き追跡を行いながら計測を行うために必要なプローブの仕様を検討するために,超音波散乱源に動きを与えた場合の超音波散乱波をシミュレーションし,超音波プローブの素子数,素子間隔等を変化させて検討を行った.その結果,精度良く動きを検出するためには,素子間隔を超音波中心周波数における波長以下程度に設定することが必要であることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超音波散乱波の統計量が,生体組織の温度上昇に依存して変化する現象の機序を明らかにするとともに,本研究において想定される条件下で超音波散乱波を計測するために必要な超音波プローブの仕様検討も順調に進んでおり,おおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに超音波散乱波の統計量が生体組織の温度変化に依存して変化する現象の機序を明らかにし,超音波散乱波を計測するための超音波プローブの仕様も決定することができたため,次年度は実際に生体を計測する際に想定される課題について検討を行う.具体的には,生体では体動が発生すると考えられるため,体動が発生した場合の超音波散乱波の統計量変化への影響を検討するとともに,体動を検出して補正し,統計量計測への影響を低減する手法について検討を行う.また,動きを検出しながら超音波散乱波の統計量を計測するために適した超音波送受信シーケンスに関する検討も行う.さらに,超音波散乱波の統計量の検出においては,使用する超音波の音場にも影響を受けることが想定されるため,可能な限り空間的に均質な統計量を得るための送信波の選択や受信ビームフォーミング方法などに関する検討を行う.
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Research Products
(40 results)