2023 Fiscal Year Annual Research Report
半導体超格子の室温テラヘルツ利得における動的電子相関の解明と制御
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21H01362
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
鵜沼 毅也 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (20456693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 英文 東京大学, 物性研究所, 教授 (40251491)
玉山 泰宏 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (50707312)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 半導体物性 / 超格子 / テラヘルツ/赤外材料・素子 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの成果に基づいて,超格子構造における電子・正孔の波動関数の空間的局在度を直流バイアス電圧で変化させながら,動的電子相関がテラヘルツ放射に及ぼす影響を実験的に調べた。さらに,超格子構造に関する物理的理解を以下の通り拡張することによって,光パルスで制御された電気的バイアス入力に対する半導体材料のステップ応答の一般的枠組みを構築した。一方,超格子構造の表面に外部共振器を加工する上で,超格子試料の材料とサイズに依存する技術的問題点が新たに判明したため,引き続き対策を施した。 超格子構造の積層方向に印加する直流バイアス電圧をゼロから増加させていくと,エネルギーバンド(ミニバンド)が孤立していると見なせる電圧領域では波動関数が局在化し,さらに高い電圧領域ではミニバンド間の状態混合によって波動関数が非局在化することがシミュレーションから分かる。これまで,後者の状況におけるテラヘルツ放射測定をステップ応答の枠組みでスペクトル解析することは困難であった。今回,単一エネルギーバンドの仮定を置かずに,半導体材料全般を対象としてテラヘルツ放射分光におけるステップ応答の枠組みを構築することに成功した。この枠組みを超格子構造のブロッホ振動に適用して複素応答関数のスペクトル形状を求め,波動関数が局在化した状況における分極電流の小信号応答,および波動関数が非局在化した状況における実電流の大信号応答の特徴が現れていることを明らかにした。このような観点で,ブロッホ振動の初期位相に新たな物理的解釈を与えた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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