2021 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of mechanisms for photo-induced large conductivity change of graphene/diamond junctions and their device application
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21H01388
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
植田 研二 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 教授 (10393737)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ダイヤモンド / グラフェン / 光デバイス / メモリスタ / 脳型記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、垂直配向グラフェン(VG)/ダイヤモンド接合における巨大光伝導度変調現象の発現機構解明及び、その特徴的な光伝導特性を生かした新規光デバイスの開発を目的としている。初年度は、 (1) グラフェン/ダイヤモンド界面構造制御と、(2) グラフェン/ダイヤモンド接合を用いた新規光デバイス作製を試みた。 (1)と関連して、本研究ではVG/ダイヤモンド積層構造をCVD(化学気相成長)法により作製しているが、CVD成長条件(基板温度、成長ガス比等)を制御する事により様々な界面状態を有するVG/ダイヤモンド積層構造を作製する事ができた。成長温度の低減と共に界面グラフェンのsp3欠陥量が増加し、VG層内のグラフェン層間隔が増加すると共に、光記憶時間が減少していく事が分かった。特に基板温度を低めにして作製した積層構造で、現在まで現れていなかった脳型光記憶機能(光刺激の強さ(光パルス数や光周波数の大小等)により記憶時間が変化する特性)が現れる事を初めて見出した。 (2)と関連して、(1)で得られた知見を基に実験を行ったところ、VG/ダイヤモンド接合を用いた脳型記憶イメージセンサ作製に成功した。このイメージセンサでは光刺激が強く重要な情報のみが長期記憶され、光刺激の弱い情報はすぐに忘れ去られてしまう(=短期記憶)、人間の脳類似の記憶機能が現れる事が明らかとなった。結果は高インパクト雑誌であるCarbon誌に掲載された。また報道発表を実施した所、新聞やインターネットメディア等(計27件)で紹介された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現状として、上述の様に、本研究の目標の1つであるVG/ダイヤモンド接合の特異な光伝導特性を生かした新規光デバイス(脳型記憶イメージセンサ)の作製に初年度の時点で成功しており、研究は概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までの研究によりVG/ダイヤモンド接合における新機能発掘、即ち脳型光記憶機能の発掘と、この新特性を利用した脳型記憶イメージセンサの作製に成功した。しかし、このイメージセンサは6個のVG/ダイヤ接合で構成されており集積度が低く、原理確認を行うのがやっとであった。実用化の為にはより集積度の高い脳型記憶イメージセンサを作製する必要がある。今後はデバイスの集積度を上げていくと共に、デバイスの安定動作に必要となる動作機構の解明を行っていく。また、VG/ダイヤモンド接合の新機能開拓も引き続き進めていく。
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Research Products
(11 results)