2021 Fiscal Year Annual Research Report
光ファンクションジェネレーターを用いた光電場スイッチの集積化
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21H01395
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉井 一倫 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 特任准教授 (90582627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
洪 鋒雷 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (10260217)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超短パルスレーザー / 超高速科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高速科学分野に横たわる「分散補償の限界」というパラダイムを突破するため,代表者が提案する独自の光技術は『光ファンクションジェネレーター(Optical function generator: OFG)』である.光ファイバーや光平面導波路といった既存の集積化プラットフォーム上の任意の相互作用位置でフーリエ変換限界のモノサイクル電場や矩形波などの任意波形光電場を自在に発生させることができる.本研究の目的はこの革新的光技術であるOFGを応用して『光「電場」スイッチの集積化』を実現することである. この研究目的に対して,本年度の研究計画は以下に示すとおりであった. ナノ秒パルス型OFGによる光「電場」スイッチの実証 代表者が開発するOFGは,光周波数コムに安定化された注入同期型Q-switched Nd:YAGレーザーのナノ秒パルス光を基本波光とする倍波及び和周波発生による第5次高調波までのハーモニクスから成る.独自の振幅制御部には水晶と偏光子のセットを,位相制御部には合成石英とフッ化カルシウムの基板を用い,高精度自動ステージで媒質長を掃引することにより原理を機能させ,約10 nsのエンベロープ中に280 THz間隔で繰り返すパルス幅400アト秒(as = 10-18 s)のモノポール電場を生成する.自由空間中で径50μm程度に集光しピーク電場強度数十V/nmを目標とする. 上記の計画に対して本年度は以下の研究実績を得た. ナノ秒パルス型OFGの開発を行った.OFGの光源部であるハーモニクス発生,提案した振幅・位相制御装置の数値実験検証と装置の組み立て,周波数安定化シード光源の開発,パルス幅測定装置のデザイン,及び,相互作用実験部の装置調達を完了した.また,これらの研究成果として学術論文2本,解説論文1本,学会発表7件を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ここまでの研究計画は装置準備なども多く比較的計画通りに進めることができている.
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順調に進んでいるため当初の計画通り推進する. 具体的には以下の内容を遂行する. (1)ナノ秒パルス型OFGによる光「電場」スイッチの実証.昨年度に引き続き,ナノ秒パルス型OFGの開発を行う.特にパルス幅の測定と電場波形の測定を行う. (2)石英系平面光波回路内部での光「電場」スイッチの実現.次に,相互作用部への経路を石英系平面光波回路(PLC)により光導波路化し数cmレベルの物質伝搬後でもアト秒サイクル光による相互作用が可能であることを世界に先駆けデモンストレーションする.PLC回路途中の表層にマイクロ電極を実装した試料を配置したチップをデザインし特注する.
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Research Products
(10 results)