2021 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation on the deformation and strength characteristics of structural members made of bio-inspired helicoidally laminated CFRPs
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21H01411
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松本 高志 北海道大学, 工学研究院, 教授 (40301121)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 構造工学 / 土木材料 / 複合材料 / FRP / 生体模倣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,生体を模倣したらせん積層CFRPによる構造部材の脆性挙動の改善と粘り強い特性の獲得という視点から,部材の挙動と特性を明らかにし,損傷と破壊の形態と機構を検討することとする.これまでに小規模の試験体で,「構造部材」に対しては「部位」に相当する規模を検討した.本研究では次の段階に進み,生体模倣らせん積層CFRP構造部材を作製して,その挙動と特性を明らかにし,損傷と破壊の形態と機構を検討する. 生体の外骨格に相当する部材として閉断面の箱形断面梁を製作して曲げ試験を実施する.初年度は断面外寸を数cmとした箱形断面梁をプロトタイプとして,製作技術と試験計測の課題解消と実施可能条件の特定を経て,らせん積層CFRP箱形断面梁の挙動と特性を明らかにし,損傷と破壊の形態と機構を検討する. 製作技術においては,プリプレグを積層する芯材を割り型とし,真空加圧・加熱成形により試験体を自主製造する手順を確立する.既往の製作は板材であったが今回は閉断面部材であり製作と品質管理の難易度が上がる.試験計測は,荷重,変位,ひずみの計測を行う.ひずみは,曲げ支間断面内線形分布,曲げ支間上下フランジひずみ挙動,せん断支間ウェブのせん断ひずみ挙動を確認するように計測する.加えて,これまでに開発した面的に変位を計測できる画像解析を用いる.画像解析は異方性の変位場をも捉えることができる.これによりらせん積層複合材料の複雑な変形挙動を確認する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究実施計画を概ね実施できたため,上記の進捗状況とした.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の検討を踏まえて,2年度目は数cm角の箱形断面梁の曲げ試験を継続する.新たに,3次元デジタル画像相関法による変形計測・ひずみ解析を実施して,らせん積層箱形断面梁の詳細な3次元挙動を観察する.これにより,ひずみの曲げ支間断面内線形分布,曲げ支間上下フランジひずみ挙動,せん断支間ウェブのせん断ひずみ挙動,荷重集中点での断面潰れを確認するように計測する.また,らせん積層の積層構成,板厚,曲げ・せん断支間長などの変数を変えた試験体を複数製作し,試験計測および観察を通して,部材の挙動と特性を明らかにし,損傷と破壊の形態と機構を検討する.
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