2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an existing bridge management method based on load rating
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21H01415
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
奥井 義昭 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (40214051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
党 紀 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60623535)
松本 泰尚 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90322023)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 橋梁維持管理 / 耐荷力評価 / 活荷重係数 / リダンダンシー / 定期点検 / 振動モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はロードレィティング手法を用いた既設橋の維持管理のための耐荷力評価手法を検討し,維持管理の枠組みの構築とマニュアルの作成を最終的な目的としている.具体的には橋梁の耐荷性能を設計活荷重に対する倍率(RF値)で数値化して表し,橋梁の運用方法(現状維持,補強・補修の実施,荷重制限)の策定に資するものである. まずケーススタディとして実在の既設橋6橋(鋼単純合成鈑桁2橋,PCポステン合成桁橋,鋼3径間連続非合成箱桁橋,鋼3径間連続鋼床版箱桁橋,鋼3径間連続非合成鈑桁橋)についてロードレィティングを実施した.対象橋梁はいずれも旧設計基準で設計されており,それを現在の設計基準重に基づきRF値を算出した.その結果,RF値は橋梁毎に大きく異なり,橋梁によっては現在の基準を満足しないものもあった.この要因としては,設計交通荷重が増加していること,竣工後の荷重増加,設計時の将来の想定荷重の有無等によることが分かった. 次にロードレィティングの全体的な流れを検討し,基本ロードレィティングと詳細ロードレィティングの2段階からなる評価フローを作成した.基本ロードレィティングは対象橋梁に損傷がある場合,旧設計荷重で設計されている場合,竣工後の荷重増加がある場合に実施される.これらの条件に合致しない場合,ロードレィティングを実施せず,次回定期点検に回される. この基本ロードレィティングによってRF値が1.0を下回る場合,詳細ロードレィティングを実施する.詳細ロードレィティングでは,高度な構造解析による評価,活荷重係数の見直し,システムリダンダンシーの考慮,塑性変形も考慮した部材強度の算定が可能となる.令和3年度は(1)状態係数の検討,(2)システム係数の検討,(3)荷重係数の検討,(4)振動モニタリング用いた状態評価の検討を行った.具体の研究実績に関しては現在までの進捗状況において説明する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究項目毎に進捗状況を説明する. (1)状態係数の検討:基本ロードレィティングでは定期点検より定まる変状グレード(IからIV)によって,状態係数を設定した.詳細ロードレィティング時の状態係数としては,鋼桁橋の支点部近傍の腐食による損傷に関しては既往の研究結果に基づき,支点上垂直補剛材の照査に関しての状態係数を設定した. (2)システム係数の検討:基本ロードレィティングではシステムリダンダンシーの効果は考慮せず,システム係数は1.0として評価を行う.一方,詳細ロードレィティングで用いるシステム係数を算定するために,主桁本数,単純桁/連続桁,合成桁/非合成桁が異なる3橋の3次元FEMモデルを作成し弾塑性解析を実施した.解析からシステムリダンダンシーのメカニズムを明らかにし,システム係数の提案を行った.さらにFEM解析結果からシステム係数を前述した3橋に関して算出した. (3)荷重係数の検討:高速道路料金所の輪荷重計より計測された車両重量データに基づいて,車両重量等を確率変数とした荷重シミュレーションを実施し,活荷重係数の検討を行った.車線数(2車線,4車線),単純桁/連続桁をパラメータした3橋に関して曲げモーメントに対する活荷重係数を算出した.活荷重係数の年最大値を数多く求め,このデータを用いてを最尤法から一般極値分布の当てはめを行った.一般極値分布の適合性は良く,一般極値分布から再現期間に応じた活荷重係数の再現レベルを算出した. (4)振動モニタリングを用いた状態評価の検討:PC単純桁橋と非合成鈑桁橋の床版の振動計測を行い,モニタリングを用いた損傷度の推定について検討した.PC橋に関しては減衰の振幅依存性を考慮することで,損傷度に応じて構造減衰が変化する傾向を確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)状態係数の検討:鋼トラス橋の部材と格点部について状態係数を検討する予定.これらは主に既往の研究成果をとりまとめることで実施する.トラス橋の部材損傷に関しては箱断面の四隅の溶接部が腐食によって損傷を受ける事例が実橋において報告されているため,この場合の損傷係数を検討する.さらに,箱断面を構成する鋼板の腐食による減肉に関しては,連成座屈式に関する最近の知見を用いて状態係数を検討する予定である. (2)システム係数の検討:昨年度提案したシステム係数の算定法を鋼トラス橋に適用し,鋼トラス橋のシステム係数を算定し,提案したシステム係数の算定法がトラス橋にも適用可能かを検証する.そのため,トラス橋の3次元FEMモデルを構築し,弾塑性解析を実施する. (3)荷重係数の検討:今年度は昨年度の路線に較べて大型車混入率の大きな高速道路の実測データを用いて活荷重係数の検討を行う.車両発生シミュレーションより求めた一般極値分布より,再現期間に応じた活荷重係数の再現レベルが求まるため,これに基づき維持管理用の活荷重係数を提案する予定である.具体的には現在5年に一度の定期点検が義務化されているため,定期点検期間の2倍の10年間で非超過確率95%の活荷重係数を維持管理用の活荷重係数として提案する予定である. (4)振動モニタリング用いた状態評価の検討:損傷度が構造減衰と関連することは昨年度の検討で判明したが,今年度は構造減衰と耐荷力の関係について検討を行う.
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Research Products
(3 results)