2022 Fiscal Year Annual Research Report
交通・物流システム効率化のための市場型マッチング・システムの設計・評価法構築
Project/Area Number |
21H01448
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤松 隆 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (90262964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 健太郎 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20706957)
大山 雄己 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (20868343)
佐津川 功季 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (40867347)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 交通システム / 物流システム / 市場メカニズム / マッチング / オークション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,大都市における(A)公共交通,(B)道路交通,(C)クラウド型物流(CSD)システムに対して,混雑問題を解消する/運用効率を高める市場型マッチング・システムの導入を提案し,その市場メカニズムのデザイン及びシステム評価の方法論を開発することである.本年度は,昨年度の「基本モデル」の成果を発展させ,「一般モデル」に対する理論を以下の手順で構築した: Step 1. 市場メカニズム及びその実装法を開発. Step 2. 市場システム導入効果の評価法を構築. 上記 Step 1 は以下の手順に分解して研究を進めた:a) 社会的最適状態モデルを構築;b) システム(A)~(C)の構造的特徴に応じた適切な階層分解法を検討し,マスター問題 MP と子問題 SP を導出;c) MP の効率的解法を開発;d) 大規模数値実験によってアルゴリズムの性能及び,MPの近似精度やメカニズム全体の効率を評価した.その結果,大規模問題においても極めて効率的に高精度な最適解が得られることが示された.また,Step 2 は以下の手順に分解して研究を進めた:a) 市場導入後の動的システム最適(DSO)状態の特性を理論的に解析;b) 市場導入前の動的利用者均衡(DUE)状態のモデルを構築;c) 理論的考察によってDSOとDUEの間に成立する規則性を発見し,両者の理論的関係を解明した. なお,本年度解析した各交通システム(A)~(C)の「一般モデル」の設定は,以下の通りである:(A)鉄道網において,列車待ち行列を考慮した上で,利用者が出発/到着時刻と乗車列車を選択する動的鉄道配分モデル;(B) コリドー型道路網において,利用者が出発時刻を選択する動的交通配分モデル;(C)配送タスク需要/供給の価格弾力性を考慮し,配送タスクを請け負う権利が市場化された状況での需給マッチング・モデル.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「一般モデル」に関する目的(1)と(2)を実現する研究(Phase 1 の後半モジュール)の成果が,当初の研究計画どおり,順調に得られている.また,その成果の学会発表や論文投稿・掲載(Transportation Research Part B, 土木学会論文集等)も概ね順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度までに得られた成果を活用し,2023年度は「統合モデル」に関する目的(3)を実現する研究(Phase 2)を実行する予定である.
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Research Products
(18 results)