2021 Fiscal Year Annual Research Report
未培養微小真核生物群の生態・機能解明による活性汚泥食物環モデルの再構築
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21H01460
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保田 健吾 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (80455807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 剛史 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90533422) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 活性汚泥 / 微生物群集 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本各地から採取した合計276の下水処理汚泥サンプル中の原核生物および真核生物の群集構造をアンプリコンシーケンス解析により明らかにした。原核生物は16S rRNA遺伝子のV3-V4領域を、真核生物は18S rRNAのV9領域を対象とした。シーケンシングはイルミナ社のMiSeq、解析にはQIIME2を用いた。主座標分析において、原核生物の群集構造は処理プロセスあるいは処理場の違いによりその類似性が異なる傾向が見られたが、真核生物の方は見られなかった。標的とする微小真核生物群のサンプル中における存在割合(真核生物を100%とした時)は、多いときで90%を超えるのに対し、検出されないサンプルもあった。標的とする微小真核生物のポピュレーションダイナミクスに季節的な傾向や処理場や処理プロセスによる影響は見られておらず、優占化する環境因子は未解明である。ただこれはアンプリコンシーケンス解析による真核生物中の割合であり、サンプル全体に占める割合とは異なるため、定量PCRなどによる解析を行うことが必要であると考えられた。ネットワーク解析では、これまで検討した中では、特定のグループとの関連性はoperational taxonomic unitレベルでは見られていない。今後は対象を原核生物との関連性に広げて行く予定である。一部着目に値するサンプルについて定量PCRを行い、標的とする微小真核生物の存在率が高いと思われるサンプルについてメタゲノム解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析を行うためのサンプル情報を収集し、整理することが出来た。その情報をベースに各解析を開始できており、概ね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
メタゲノム解析を行い、標的とする微小真核生物のMAGを獲得することが1つの挑戦である。定量PCRによりサンプル中の存在量を求める。また培養を開始し、標的とする微小真核生物が優占的に増殖する環境を探索する。
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