2022 Fiscal Year Annual Research Report
中高層木造建築物におけるモーメント抵抗型柱脚接合部の耐震設計法の確立
Project/Area Number |
21H01478
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
瀧野 敦夫 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (10403148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 拓郎 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (00335225)
向出 静司 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (20423204)
中谷 誠 宮崎県木材利用技術センター, その他部局等, 主任研究員 (90433143)
石山 央樹 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90634436)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 木質ラーメン構造 / 柱脚接合部 / 中高層木造建築物 / N-Mインタラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、注目を浴びる中高層木造建築物に着目し、特に軸力負担の大きい柱脚接合部に関して、軸力による曲げモーメント抵抗性能への影響について考察することを本研究の目的とし、2022年度は以下の内容について研究を行った。 ・柱脚接合部を有する片持ち梁試験体の水平加力試験を実施した。接合具にLSBを用いた試験体では靱性の少ないほぼ弾性挙動を示した荷重ー変形関係となり、引きボルト型接合部を用いた試験体では、初期剛性は低いものの靱性に富んだ荷重-変形関係となった。 ・特にLSBを用いた試験体に着目し、実験では把握できない試験体内部の応力状態を詳細に検証するために、三次元有限要素解析を実施した。解析には汎用型ソフトウェアであるLS-Dynaを用いた。軸力が大きくなるにつれて、圧縮側の木材が降伏し、木材が応力負担できなくなるため、LSBの負担応力が増加することを検証した。ただし、今回の解析モデルでは、LSBと木材との境界部の設定が明確にすることができず、実験結果よりも高い剛性を有する結果となった。2021年度に実施した一軸引張試験の解析ではキャリブレーションをとることができたため、一軸に応力が作用した状態と、曲げモーメントやせん断力が作用する場合に境界部での剛性評価が異なることが予想され、具体的な対策については今後の課題である。 ・同様の仕様でGIR接合部の試験体を製作し、これについては2023年度に加力予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
作用させる軸力が500kNや1000kNと非常に大きいため、木材の剛性が低く、またすぐに割裂破壊が生じるため、圧縮力を作用させるとジャッキが面外にはらみだしてしまい、これを解消するために時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度はGIR試験体や鋼板挿入ドリフトピン接合試験体の加力実験を行い、高軸力下における性能について詳細な検証を行う予定である。
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Research Products
(1 results)