2023 Fiscal Year Annual Research Report
都市の暑熱化と強風災害の激甚化に適応するための風環境計画理論の統合・再構築
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21H01486
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
持田 灯 東北大学, 工学研究科, 教授 (00183658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 泰之 東北大学, 工学研究科, 助教 (20789515)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 屋外風環境設計 / ビル風 / 暑熱適応 / 将来気候 / 強風災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 強風時に高層建物が周囲の低層建物に作用する風圧力及び構造安全性の評価:高層建物の平面形状や高さ、グロス建蔽率を変えたケースの風洞実験を行い、低層建物の屋根面に作用する負圧の変化を分析した。また、気候予測データベースd4PDFを用いて2000年代から2100年代の再現期間50年風速の強風条件下において外装材に作用する風荷重を求め、構造安全性を評価した。 2. 街区形態と強風発生、平均的な風通しの関係に関するLES:風洞実験ケースに加え、低層街区内に設置した1棟の高層建物の高さを変えたケース、街区全体の建物高さを非一様化させ標準偏差を変えたケースのLESを行い、街区形態が歩行者空間の強風発生及び平均風速、街区内の運動エネルギー交換量に基づくBreathabilityとその風下側領域の風環境への悪影響としての運動エネルギー散逸量に及ぼす影響を評価した。建物高さの非一様化により、1棟が突出する高層建物周囲に見られる強風の発生を抑制、かつBreathabilityを高め、風下側領域の風環境悪化を抑制する結果を得た。 3. 風況の将来変化の分析:領域気象モデルWRFを用い、確率密度分布及びワイブル係数に基づき、東京首都圏の風況の3次元空間分布を分析した。また、d4PDFを用いて2000年代から2100年代の風況変化を分析し、平均風速は殆ど変化がない一方、最大値は8%増加し、将来、稀に発生する強風の強度が増加する結果を得た。 4. 都市の風環境計画理論の統合・再構築:これまでの知見を統合し、平常時の風通し確保及び計画敷地の風下側領域の風環境への悪影響の低減、稀な強風時における周辺建物の安全性確保、という風環境計画で前提とする目標を整理した。これの達成には、強風被害を生じうる移流ではなく、主として乱流拡散による平常時のBreathability向上を図るべきであるという結論を得た。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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