2023 Fiscal Year Annual Research Report
主観的健康感を向上させる「ガイド付きまち歩き」のための場所の文脈情報の編集技術
Project/Area Number |
21H01512
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
後藤 春彦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70170462)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 主観的健康感 / ガイド付きまち歩き / 社会的健康 / 場所の文脈 / 郊外住宅地 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、前年度の予備実験の結果の検証と、それに基づく実験の設計を進め、2023年11月に越谷市旧日光街道・越ヶ谷宿エリアでまち歩き実験を実施した。具体的には、条件を設けて募集した58名の一般参加者を対象に、複数の案内地点ごとにオーディオガイドを用いたガイドを聞く「ガイド付きまち歩き」を体験するグループと、その比較として、同じ案内地点でガイドは無いままガイドが付く場合と同じ時間滞在する「ガイド無しまち歩き」を体験するグループに分け、被験者のまち歩きの前後での精神的疲労・気分状態を測定した。 得られたデータの分析から次の事項が明らかになった。まず、ガイドの有無に関わらず、まち歩き前後で気分状態が改善した。次に、ガイドの有無で比較すると、ガイド付きまち歩きの場合、ガイド無しまち歩きと比較して、空間認知量が増加し、気分状態の一部の尺度が改善した。さらに、男性はより気分状態が改善しやすいこと、40・50代と60・70代では、改善しやすい気分尺度に違いがあることが示唆された。よってこの実験からは、まち歩き、特にガイド付きまち歩きが、気分状態の改善に寄与することが実証された。 加えて、主観的健康感と空間認知との関係性を探るため、越谷市を含む首都圏郊外居住者を対象とする大規模Webアンケート調査を行った。その結果、健康感が良い回答者ほど、自宅付近において思い浮かべることのできる場所の数が多いことがわかった。また、その場所の意味・種類・情報源を分析した結果、主観的健康感が良い回答者は、思い浮かべる場所に対して、比較的多様な意味・種類を認識していること、同じく多様な情報源を有していることが明らかになった。 以上を踏まえ、これらの研究成果について、近年のまちづくりや都市計画に求められるWell-beingの視点から考察し、そこから主観的健康感を向上させる都市デザインのあり方をまとめた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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