2022 Fiscal Year Annual Research Report
Physical law and modeling of compressible separated flows using high-fidelity spatio-temporal large-scale data
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21H01523
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河合 宗司 東北大学, 工学研究科, 教授 (40608816)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乱流境界層 / 高レイノルズ数流れ / 圧縮性流体 / LES / データ駆動科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題2年目となる本年度は、研究初年度に構築した衝撃波および壁面熱流束を伴う非平衡剥離乱流境界層現象のデータベースに対し、LESにおける内層乱流モデリング(壁面モデル)の観点からのデータベースの解析を実施した。また開発した平衡壁面モデルおよび境界層の非平衡効果を考慮した非平衡壁面モデルに対して構築したデータベースと同条件での解析を実施し、非平衡効果を考慮することでよりロバストなモデルの構築が可能であることを明らかにした。また壁面熱流束を伴う乱流境界層現象では、ローカルな密度や粘性係数の変化を考慮するセミローカルスケーリングを壁面モデルに導入することで、壁面熱流束を伴う乱流境界層現象においても壁面モデルLESの予測精度が大幅に向上することを明らかにした。さらには壁面熱流束を伴う衝撃波と乱流境界層干渉の低周波自励振動現象の壁面モデルLESによる再現性についての検証を開始した。 加えて本年度は、衝撃波および壁面熱流束を伴う非平衡剥離乱流境界層現象を伴う実環境・高レイルズ数流れ条件における応用的課題である、遷音速強制振動翼現象および過膨張ノズル内現象の壁面モデルLES解析にも着手した。また並行して、引き続きResolvent解析による遷音速バフェット現象の衝撃波自励振動維持機構の解明を含め、大規模非線形複雑流体データからどう本質的な流体挙動を抽出し、その物理機構の理解や物理モデル構築につなげていくかというデータ駆動型アプローチについても研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度に構築した非平衡剥離乱流境界層現象データベースをLESにおける内層乱流モデリング(壁面モデル)の観点から解析し、モデルで非平衡効果を考慮することの有効性や、新たにローカルな密度や粘性係数の変化を考慮するセミローカルスケーリングを壁面モデルに導入し、その有効性を示すことができた。また加えて実際の高レイルズ数流れ条件における応用的課題である、遷音速強制振動翼現象および過膨張ノズル内現象の壁面モデルLES解析にも着手できた。このような状況から、達成度はおおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度は、構築した壁面モデルLESによる衝撃波および壁面熱流束を伴う実際の高レイルズ数流れ条件における応用的課題である遷音速強制振動翼現象および過膨張ノズル内現象の解析を実施し、データ駆動型アプローチも併用しながらモデルの有効性検証および物理機構の解明を進める。
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Research Products
(12 results)