2022 Fiscal Year Annual Research Report
独自の音響-流れ場同期可視化手法による、ジェット騒音発生過程の3次元非定常可視化
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21H01529
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺本 進 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30300700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 光司 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (70376507)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超音速ジェット / ジェット騒音 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,昨年度に構築したシュリーレン法・音響トリガ条件付抽出法・computed tomographyを組み合わせた音波の三次元構造再構成法について,再現性の確認実験や,より広い画角を捉えるための予備計測を行った.これに加えて,音波を生み出しているジェットの変動をより定量的に捉えるため,背景型シュリーレン (BOS) とcomputed tomographyを組み合わせた三次元密度場計測法 (3D-BOS) の実験も行った.文献を参考に装置設計と再構成解析コードの作成・検証を行い,新たに購入したものを含め計16台のカメラからなる計測システムを構築した.この計測システムで実際に東京大学柏風洞において超音速ジェットを計測した.得られた瞬時密度場から求めた時間平均および標準偏差分布は,過去の他計測法で計測された分布と良好に一致しており,妥当性が確認された.また,本計測で新たに得られた瞬時場には,ノズル出口から下流に向けて徐々に発達する,ジェット境界の三次元的な変動が観察された.この変動は,同時計測したマイクロホンの音圧変動と相関を持つことが確認された.これらの変動と,本研究でこれまでに特定した音波の周方向構造とのより詳細な関係解明に向け,12本のマイクロホンアレイと3D-BOSの同時計測を可能にする装置改良を行った.予備計測を行い,3D-BOS計測システムによる音の反射等の影響がほぼ無い妥当な計測が可能なことを確認した. 数値解析では、擾乱と衝撃波の干渉から音波が発生する過程を特性曲線を用いて追跡し、擾乱とプレートショックの干渉から生じたジェットが壁面と衝突して発生した圧力波が、壁面ジェット剪断層から漏れ出(shock leakage)て、音波となっている可能性を見出した。また、剪断層の不安定性から生じる擾乱を、Harmonic Balance法で解像できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
仮入力実験面では、導入した実験装置による画像計測および解析ソフトフェア整備を完了し、既存実験と比較して妥当な結果が得られることを確認できた。数値解析面でも、今後の解析の基礎となるshock leakage法、harmonic balance法の実装・検証を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
力実験面では、3D-BOSの解像度の確認をした上で、ジェット剪断層上に生じる擾乱の3次元計測と、擾乱と発生の音波の関係について議論する。数値解析面では、引き続き擾乱と衝撃波の干渉から音波が発生する過程を解析する。
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Research Products
(7 results)