2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the deformation of bedrock caused by hydromechanical processes
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21H01593
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
小暮 哲也 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (70534006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 一生 京都大学, 防災研究所, 助教 (00572976)
小松 満 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (50325081)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分布式光ファイバセンシング / セメント試料 / 加熱試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,基盤岩内部の水文力学的挙動を解明することである。本研究では,これまで困難であった岩盤内の地下水の動きと斜面変形との関係を解明するため,ひずみ計と地下水位計に代わり,光ファイバケーブルを使用する。光ファイバによる計測ではケーブルそのものがセンサーとなり電源を使用しないため,既存の計測手法で技術的制約の要因となっていた電源ケーブルの長さの問題が生じない。ケーブルの先端にガイドとなる重りを付ければ,ボーリング孔内へ降ろすだけで容易に設置できる。光ファイバケーブルは岩盤のひずみ変化を高精度・高解像度で計測可能であり,ひずみ変化に加え温度変化も計測可能である。本研究では,地下水流の有無によって温度変化速度が異なることを利用し,ボーリング孔の坑口から孔底までを加熱して地下水流の位置の特定を試みる。 当該年度には,①室内試験の準備・実施,②野外計測試験の準備,を計画した。以下に,それぞれの実績を記す。 ①室内試験の準備・実施については,セメントを用いた模擬ボーリング孔の作製および実験機器の調達を行った。模擬ボーリング作製時には,実際のボーリング孔の直径66mmに近い直径を持つ塩ビ管(長さ1m)の長軸方向に光ファイバケーブルと加熱用ケーブルを通し,塩ビ管内をセメントミルクで充填した。セメント固化後に塩ビ管を取り外し,試料(模擬ボーリング孔)が完成した。完成後の試料を用いて加熱試験を行い,加熱に伴う試料内部の温度上昇を光ファイバケーブルで計測できることを確認した。 ②野外計測試験の準備については,試験用地の決定,ボーリング孔の掘削,光ファイバケーブルおよび加熱用ケーブルの設置,を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で物流が滞り,一部の計測機器の納品が遅れた。そのため,実験機器の調達後にひずみ・温度変化の測定システムを構築できれば理想的だったが,時間的余裕がなく実現しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度に調達した実験機器を組み合わせて,ひずみと温度変化の測定システムを構築する。構築されたシステムを用いて室内試験を行う。すなわち,模擬ボーリング孔試料の表面に局所的に水を与え試料内を加熱した場合,試料内の光ファイバケーブルで温度変化を測定し水の位置を特定可能か評価する。室内試験で光ファイバケーブルにより局所的な水の位置を特定可能と判断された場合,測定システムを現場試験地に設置し野外計測を開始する。
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