2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study of low-temperature hydrogen absorption and diffusion into metal using inelastic electron spectroscopy measurements
Project/Area Number |
21H01605
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河江 達也 九州大学, 工学研究院, 准教授 (30253503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 祐次 岡山理科大学, 基盤教育センター, 准教授 (10335458)
丸山 勲 福岡工業大学, 情報工学部, 准教授 (20422339)
志賀 雅亘 九州大学, 工学研究院, 助教 (40961701)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 水素 / トンネル効果 / 離散準位 / 超伝導 / 残留抵抗 / ジョセフソン効果 / パラジウム / ニオブ |
Outline of Annual Research Achievements |
Nb製超伝導-常伝導-超伝導ジョセフソン接合(SNS-JJ)を作製し、その表面に水素を吸着させた際の微分伝導信号dI/dVを詳細に調べた。T~20KでH2をSNS-JJに吸着させると超伝導ギャップ内のdI/dV信号は大きく変化し、電圧値の正負に対して対称的にスパイク状のピークがほぼ等間隔に多数出現した。さらに、温度変化させてもスパイク間隔は変化せず、超伝導転移より高温ではスパイクは消失した。同様の実験をPb製SNS型ジョセフソン接合で行ったところ、やはり超伝導ギャップより低エネルギー側のdI/dV信号にスパイク状ピークが多数出現することが分かった。以上より、スパイク構造の起源は表面に吸着した水素が、超伝導電流と相互作用をすることによってノイズ構造を発生することを明らかにした。 PdHxは水素濃度x(=H/Pd) ≧0.75になると超伝導が出現する。しかし水素は容易に脱離し試料内の水素濃度が不均一になるため、その詳細な超伝導物性は解明できていない。我々はT≦200Kの低温で数週間以上の時間をかけゆっくりと水素吸蔵させ、続けて試料の冷却を行うことで水素脱離を抑制した均質なPdHxにおける超伝導物性の測定に成功した。この方法を用いて作製したPdHx薄膜の超伝導転移を調べ、非常にシャープな転移を示す均質試料にもかかわらず超伝導転移後がゼロ抵抗にならないことを示した。さらにこの残留抵抗の原因として、理論研究で指摘された超伝導転移により水素トンネルが容易になったことによる抵抗発生として理解できることを明らかにした。 超伝導中水素のトンネル拡散の一般性を検証するため、振動ワイヤ法を用いてNbH0.02試料を用いて、その共振特性を調べた。その特性は純粋なNbから変化することを明らかにし、超伝導体中水素のトンネル拡散の一般性を明らかにした。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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