2021 Fiscal Year Annual Research Report
窒化アルミニウム基エピタキシャル薄膜を用いた強誘電性サイズ効果の解明
Project/Area Number |
21H01617
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
舟窪 浩 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (90219080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 雅人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (10304742)
木口 賢紀 熊本大学, 先進マグネシウム国際研究センター, 教授 (70311660)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 窒化アルミニウム / 強誘電性 / サイズ効果 / エピタキシャル膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
AlN[(Al,Sc)N]は、六方晶の対象中心の無いウルツ鉱構造を有し、膜厚300nmの分極軸であるc軸一軸配向膜について、強誘電性が実験的に確認された。研究代表者は、この強誘電性の発現起源の違いがサイズ効果と深く関係しており、強誘電性の起源がHfO2に近い蛍石構造やウルツ鉱構造強誘電体では、サイズ効果はほとんど観察されないと考えている。本研究の目的は、巨大強誘電性を有するAlN基エピタキシャル膜を作成し、その巨大強誘電性の詳細な解析を行うことで、“サイズ効果”の起源を解明することである。本研究では、スパッタ法により(Al,Sc)N膜および(Ga,Sc)N膜を作製し、その強誘電性を調査した。 (Al,Sc)N膜について、Pt/ScGaN/Pt構造をスパッタリング法等によって種々の膜厚で作製し、強誘電性の温度依存性を評価した。その結果、温度を上昇させると抗電界が低下し、分極反転することができる十分な電界印加が可能になった。さらに膜厚が9nmまで、残留分極値は本質的には低下しないことが明らかになった。一方、抗電界は膜厚が低下すると上昇することが明らかになった。 (Ga,Sc)Nについては、Pt/ScGaN/Hf構造をスパッタリング法等によって作製し、強誘電性を評価した。圧電反応の符号反転とともにヒステリシスをもつP-E特性が観察され、(Ga,Sc)Nが強誘電性を示すことが実測で明らかになった。また、このときの残留分極は100μC/cm2以上で(Al,Sc)Nと同等であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
膜厚依存について、膜の歪の効果と強誘電性の関係を明らかにできる可能性が出てきており、他の強誘電体物質との比較が可能になると期待できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
膜の歪と強誘電性の関係を明らかにするとともに、その関係を用いて歪を制御することによって薄膜まで安定して強誘電性が発現できる、スタック構造の研究を行う予定である。特に歪が有効に利用できるエピタキシャル膜の研究を積極的に行っていく予定である。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] Control of Ferroelectric Property in (Al1-xScx)N Films Prepared by Sputtering Method2021
Author(s)
Hiroshi Funakubo, Shinnosuke Yasuoka, Ryoichi Mizutani, Takahisa Shiraishi, Akinori Tateyama, Takao Shimizu, Masato Uehara, Hiroshi Yamada, Morito Akiyama, Yoshiomi Hiranaga, and Yasuo Cho
Organizer
2021 MRS Fall Meeting & Exhibit
Int'l Joint Research
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