2023 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜組織構造を有した生体活性ゾルゲルガラス繊維の創製と組織再生促進効果の評価
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21H01621
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小幡 亜希子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40402656)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生体用ガラス材料 / ゾルゲルガラス / イオン / 繊維 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、ゾルゲル法とエレクトロスピンング法を組み合わせた手法による新規高機能性生体活性ガラスの作製を目的とした。細胞の活性化に有効な複数種のイオンを供給する機能を有するだけでなく、供給プロセスをも設計可能なガラス組織の構築を目指した。細胞培養試験より検討することで、従来にない高機能性生体活性ガラスを達成することを最終目標とした。 エレクトロスピニングに用いるゾル溶液に加えるバインダーとして、種々の有機ポリマーを用いて検討を進めてきた。用いる有機ポリマーの種類、溶媒および粘度によって、繊維内部のガラス組織が変化することを新たに見出した。組織の変化によってイオン溶出も変化することを観察した。 ケイ酸塩ガラスにある種の酸化物を添加することで、ガラスからのイオン溶出を制御可能であることを実証した。イオン溶出挙動に影響を及ぼす因子の一つであるガラスの比表面積とは相関が認められなかったことから、ガラスのネットワーク構造の変化に着目して検討を進めた。その結果、ガラス内のカチオンの位置や状態が変化することによって、ガラスからの溶出挙動に変化を及ぼすことを様々な分光学的手法を用いて実証した。 ガラスから溶出することが想定される種々の無機イオンについて、細胞培養試験により細胞の各種機能への影響を検討した。単一イオン種を供給した場合と複数種を供給した場合にて、細胞の応答性に変化が生じた。また、免疫系細胞による作用についても考慮した実験系を組み検討することで、従来にない免疫系を介した組織再生に対するイオンの作用について新たな知見を得た。 以上のように、繊維の内部組織の設計からガラス組成の設計、さらには細胞培養試験をベースとしたガラス組成の立案まで、異なる観点から検討を進めてきた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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