2021 Fiscal Year Annual Research Report
磁性コロイドの外場応答ジャミング・ライク転移と硬軟プログラミング材料の創製
Project/Area Number |
21H01637
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿部 浩也 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (50346136)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名嘉 節 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主席研究員 (30344089)
鈴木 義和 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (40357281)
佐藤 和好 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (40437299)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 磁性粒子 / コロイド / 粒子合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
硬さと柔らかさの両方を兼ね備え、状況に応じて硬軟が等温可逆的に変化する材料は人間共存型ロボットをはじめとして様々な応用が期待される。この候補材料として、磁性粒子を機能発現の要素とする濃厚系磁性コロイドの開発に取り組む。この磁性コロイドは無磁場下では流動性を示し「柔らかさ」を呈する。一方、磁場を印加すると磁性粒子が一斉に磁場の向きに配列しようとするが、粒子濃度が高いため粒子同士が絡み合って動けなくなり、磁性コロイドが固化する(ここではこの現象をジャミング・ライク転移という)。このときの「硬さ」は粒子濃度や磁場強度に加えて粒子形状などに依存する。これらのパラメータと「硬さ」との関係を明らかにするとともに、人が感じる硬軟をプログラムできる材料の創製を目指す。本年度は磁性コロイドに用いる磁性粒子の合成を行った。具体的には多面体マグネタイト粒子の合成に取り組み、合成条件がマグネタイト粒子の形状に及ぼす影響を調べた。その結果、反応速度を変化することにより、球状、8面体、20面体、50面体のマグネタイト粒子が合成された。これらのマグネタイト粒子のサイズはほぼ1マイクロメートルであった。この方法の特徴は従来から使用されている界面活性剤などの有機助剤を一切使用せずに形状制御した点である。また、合成条件により、粒子サイズの制御も実現できた。さらに、磁性コロイド作製に必要な量(少なくとも50g/バッチ)を合成できる条件も見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
磁性粒子の形態制御および合成法の効率化の課題に取り組んだ。固体前駆体からの溶解と還元析出というシンプルな方法論により、4つの多面体マグネタイトおよび磁性コロイド作製に必要な量が得られる合成条件を見出したことから、おおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は本年度に合成したマグネタイト磁性粒子を用いて、磁性コロイドの作製およびジャミング・ライク転移に関する実験を行う。コロイド化学的知見に基づいて、磁性粒子を高濃度に分散した磁性コロイドを調製し、各種実験を行う予定である。
|