2023 Fiscal Year Annual Research Report
高温で高性能・高安定なプロトン伝導性高分子に関する研究
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21H01650
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
三宅 純平 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (30581409)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高分子合成 / 燃料電池 / 高分子電解質 / 膜 / プロトン伝導 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はこれまでに、高温で安定して性能を発揮できるポテンシャルを有する芳香族系プロトン伝導性高分子に関する研究を実施してきた。その中で、スルホン酸基とフェニレン基のみから成る膜が、ナフィオンなどの市販高性能膜と同等の高いプロトン導電性と優れた化学的安定性を有することを報告してきた。しかし、その機械強度、特に柔軟性に乏しく(すなわち破断伸びが小さく)、改善が必要であった。そこで本研究では、膜の強靭さを向上させることを目的に、オクタフルオロビフェニレン基を主鎖の一部に有するSPP-6P8Fについて検討した。 Ni(cod)2を用いたYamamoto重合により、高分子量(Mn = 20 kDa, Mw = 244 kDa)、高IEC(IECTitration = 3.26 mmol g-1)のSPP-6P8F-4.1を合成した。SPP-6P8F-4.1のプロトン導電率(80 °C)は、95% RHで427 mS cm-1、20% RHで7.4 mS cm-1を示した。また、80 °C, 60% RHにおける引張試験の結果、SPP-6P8F-4.1は、引張強度 = 33.2 MPa、破断伸び = 84.7%、破壊エネルギー = 23.9 MJ m-3を示し、以前の芳香族系膜(IECTitration = 3.0 mmol g-1、引張強度 = 26.9 MPa、破断伸び = 18.7%、破壊エネルギー = 3.47 MJ m-3)と比較して高い値であることから、オクタフルオロビフェニレン基をスルホン酸化ポリフェニレン主鎖の一部に導入するアプローチは、薄膜強度の向上に効果的である可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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