2021 Fiscal Year Annual Research Report
ガスアトマイズ粉末内部の気孔形成メカニズム解明と気孔形成の抑制
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21H01663
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉年 規治 九州大学, 工学研究院, 准教授 (60586494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 郁也 名古屋大学, シンクロトロン光研究センター, 特任准教授 (10397482)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | gas-atomized powder / porosity / synchrotron X-ray / computed tomography / hydrogen |
Outline of Annual Research Achievements |
3次元積層造形用の原料粉末として一般的に広く研究対象とされている複数の合金粉末(Ni系,Ti系,Cu系など)を対象合金として選択した.また,軟磁性アモルファス合金としてFe-Si-B-P合金を対象合金として選択し,合金作製を行った.各合金の粉末化は10 MPa(約100気圧)のアルゴンガスを噴霧ガスとして用いたガスアトマイズ法により行った.得られた粉末は,粉末の粒度分布,電子顕微鏡を用いた外観観察,X線回折法を利用した構造評価など基本的な特性評価を行った.粉末内部に含まれる気孔量については,シンクロトロンX線CT(あいちシンクロトロン光センター BL8S2)を用いて空間分解能0.65 マイクロメートル/ピクセルでの高精度透過観察およびその後の再構成処理を行うことにより,トモグラフィー観察に成功した.その後,再構成像の画像処理により数万個の粒子内部に含まれる検出可能なすべての気孔寸法・形状情報およびその気孔を含む粒子寸法などの情報を取得することに成功した.その結果,各合金種によって含まれる気孔総量,サイズ,数密度などに差が見られることが確認された.これらの情報を合金特性として表現できる基準やパラメータの導入については,現在検討している段階である. また,ガスアトマイズ時に内部に含まれる気孔量へのガス種による影響の有無を調査するため,ガスアトマイズ装置の改造にも取り組んだ.具体的には,還元性ガスである水素ガスを混合した噴霧ガスを用いることで,気孔量に影響があるかを調査することを対象とし,安全に取り扱えるよう排気ガスの防爆仕様変更,チャンバー内の気密性検査および酸素濃度計の導入を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスに起因する供給不足により,機材や部材の納入に遅れが生じたため繰越制度を活用したが,その後,必要な部材が納入され当初の目的を達成することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は画像解析を半自動的に行うためのアルゴリズムの開発を行ない,解析対象とするデータ量を増加することにより,データの信頼性の向上および合金粉末の種類の大幅な増加を目指す.また,同じ合金系において融点や固液共存温度域の異なる組成粉末を用意し,放射光X線CT観察を行うことにより,材料物性と気孔形態の関係性についても明らかにしていく予定である.
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Research Products
(3 results)