2022 Fiscal Year Annual Research Report
Measurement and analysis of deformation behavior of polyethylene pipe subjected to biaxial repeated loading-unloading
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21H01667
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
桑原 利彦 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 卓越教授 (60195609)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 二軸応力 / 材料試験 / 制御 / 大ひずみ / 塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
高密度PE管の代替として採用されることが多い耐衝撃性ポリ塩化ビニル(HI-PVC)を供試材として使用し,以下の研究成果を得た. (1) 円管試験片の製作 供試材の肉厚が不均一であると,肉厚の最も薄い部位に変形が集中して,試験片に負荷できる最大ひずみ(破断限界ひずみ)が著しく低下する.従って肉厚のばらつきが±5%未満のものを厳選した. (2) 繰返し負荷-除荷試験の実施 軸圧と内圧をフィードバック制御可能な二軸バルジ試験機を用いて,9通りの線形応力経路(σφ:σθ=1:0, 4:1, 2:1, 4:3, 1:1, 3:4, 1:2, 1:4, 0:1)を負荷し,管軸方向および円周方向の真応力ー塑性ひずみ曲線の測定に成功した.各々の経路の試験は2回ずつ行い,より大ひずみ域まで測定できたものを真値として扱った.本材料の物性は,ひずみ速度及び温度依存性が大きい.最大主応力方向のひずみ速度は,負荷-除荷時ともに1×10- 3 s-1となるように,軸力と内圧の負荷速度をフィードバック制御した.温度は試験片の雰囲気を22度±2度で調整した. (3)材料モデリングおよび破断限界の測定と定式化 等塑性仕事面の形状変化(異方硬化)をモデル化するために,異方性降伏関数のパラメータを単位体積当たりの塑性仕事の関数として表現し,その形状と塑性ひずみ速度の方向の両方を,精度よく再現可能な現象論材料モデルを決定した.さらに破断時の真応力と全ひずみの測定値から,破断限界ひずみおよび破断限界応力を測定し,PE管の安全性評価のためのデータベースを構築することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究目標を達成できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
第三世代高密度ポリエチレン(PE100)は,施工が容易であり,また耐震性や長期耐久性をもつことから,国内水道事業体で採用が拡大している.しかし,実際に水道管を使用する際の応力状態は,水圧が加わりながら地震などの突発的な外力が加わることにより多軸応力状態にあるため,単軸試験のみでは材料評価として不十分である. そこで令和5年度の研究では,軸力と内圧をフィードバック制御可能な二軸バルジ試験機を用いて,PE100管の二軸応力下における変形挙動を実験的に測定する.さらに,その測定結果から,PE100の高精度な材料モデルを構築することを目的とする.さらに成形限界ひずみ/応力を実測し,破壊基準のデータベースを構築する.
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Research Products
(3 results)