2023 Fiscal Year Annual Research Report
Residual stress control of boroncarbon nitride coatings by bipolar-HiPIMS
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21H01674
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
清水 徹英 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (70614543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 祐樹 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 研究開発本部機能化学材料技術部プロセス技術グループ, 主任研究員 (30633515)
BRITUN Nikolay 名古屋大学, 低温プラズマ科学研究センター, 特任准教授 (70899971)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | HiPIMS / BCN薄膜 / 立方晶相 / ホウ素イオン / FTIR / XPS |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、「入射イオン流束条件がc-BN相核形成および膜の残留応力進展に及ぼす影響」を主目的として、第2年度に得られたイオン種の同定とそのイオンエネルギー分布関数の分析に基づいたプロセスパラメータにより、BCN膜の成長に対する各イオン種の運動エネルギーの役割について議論を進めた。 まず、最も高いBイオン流束が得られたHiPIMS放電条件下で、基板バイアス電圧を印加し増大させていくことで、C-N結合比率が減少すると共に、h-BN結合の比率が増大した。さらにバイアス電圧を高めていくことで、c-BN結合由来のピークが得られることが示された。同サンプルのTEM分析では、最表面の非晶質構造層の直下にt-BNと推察される層状組織が観察された。また硬さ評価では、約45GPaの高い硬度が得られたことから、sp3電子軌道による結合を多く含有する非晶質層が形成されたものと推察した。 一方、遅延同期バイアス電圧による検証では、Bイオン流束が多い時間領域における成長では、h-BN結合が支配的な成長を示す一方で、Arイオン流束が多い時間領域での成長では、膜の残留応力に起因した薄膜の剥離が生じた。このように残留応力の増大に対するホウ素イオン流束の選択的なイオン加速の効果が実証されたものの、イオン衝撃に用いられるホウ素が軽元素のため、立方晶相を得るには至らなかった。これを踏まえた上で、最終的にバイポーラ型HiPIMS放電によるBCN薄膜成長実験が実施された。その結果、遅延同期バイアス電圧による傾向と類似して、バイアス電圧の増大に伴うh-BN成長の促進が得られる一方で立方晶相の形成には至らなかった。これは立方晶を形成させるための「蒸着粒子当たりの運動量変換の指標値(Ptot/a≒200)」が不足している事が推察され、さらに高いイオン流束もしくはバイアス電圧を印加していく必要性を明らかにした。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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