2022 Fiscal Year Annual Research Report
鋳造・接合・焼結を同時に行う新プロセスの環境調和ローコスト熱電モジュールへの応用
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21H01679
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
後藤 育壮 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (10632812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肖 英紀 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (10719678)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 鋳造 / 接合 / 焼結 / 純金属 / 酸化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,応募者らが確立した鋳造・接合・焼結を同時に行う新プロセスを応用展開することで,未利用熱活用のための環境調和型熱電変換モジュールの低コストな新規製造法を実現することである.そのために2022年度は,本プロセスの想定下での酸化物熱電材料の最適加圧成形・常圧焼結条件,及びその焼結と純アルミニウムとの酸化接合の同時実施の実現性について検討した.SrTiO3の粉末で圧粉体を作製し,嵩密度を調査したところ,粒径0.9μmの粉末に対する粒径0.1μmの粉末の混合割合が60%以上の場合は,混合割合が多いほど密度は減少したが,20~40%の場合は,混合割合が多いほど密度は増加した.これは,混合割合が20~40%の範囲において,粒径0.9μmの粉末の空隙が粒径0.1μmの粉末により満たされことによるものであると考えられる.また,この圧粉体の焼結挙動や嵩密度の変化を調査したところ,粒径0.1μmの粉末の混合割合が100%の場合は,割れの発生により密度の算出が困難であったが,20~80%の場合は,混合割合が多いほど密度は増加した.一方,粒径0.1μmの粉末の混合割合が多いほど,圧粉体や焼結体へのクラックの発生が多く見られた.これは,粉末粉砕時に粒径0.1μmの粉末が均一に分散せず,成形や焼結に悪影響を及ぼしているためであると推察される.これらの点を踏まえた上で,圧粉体と溶融純アルミニウムの焼結条件下での接触保持を試みたところ,現段階では改善の余地はあるが,焼結と酸化接合の同時実施が可能であることを示すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は,概ね研究開始時の実施計画通りに,鋳造・接合・焼結を同時に行う新プロセスの想定下での酸化物熱電材料の最適加圧成形・焼結条件,及びその焼結と純アルミニウムとの酸化接合の同時実施の実現性について検討検討することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
接合メカニズム,最適焼結条件及び接合と焼結の同時実施の検討に継続して取組む.これらを通じて,鋳造成形や絶縁基板との酸化接合の同時実施も含めたモジュール全体の製造の実現を目指す.
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Research Products
(2 results)