2022 Fiscal Year Annual Research Report
二次元ナノ材料の階層的構造制御による高性能電極反応場の創生
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21H01698
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中川 紳好 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (70217678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石飛 宏和 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (00708406)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電極触媒 / 触媒担体構造 / 多孔質ナノファイバー / メタノール酸化反応 / 複合体構造 / 電極過電圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
rGO担体のみを用いての触媒層構築は困難と判断し、次のアプローチとしてカーボンナノファイバー(CNF)にメソ孔を形成した多孔質CNFを担体に用いる検討を開始した。 (多孔質CNFの調製) ポリアクリロにトリル(PAN)をカーボン前駆体に用いた静電紡糸法において、前駆体に開孔材として水およびポリスチレン(PS)を混合させる方法を考案し、開孔材およびその混合比、溶媒濃度が得られるCNFのモルフォロジーに及ぼす影響を調査した。水の場合、CNF表面に凹凸が形成されたがメソ孔を得ることができなかった。PSの場合、PAN/PS=1(質量比)において直径20nm程度の長さ方向に連続したメソ孔が形成できることが分かった。窒素吸着法で測定した比表面積も170 m2/gから530 m2/gに増大した。FE-SEMでの観察結果から、CNFの外表面につながるオープン孔の形成も確認できた。この条件で作製した多孔質CNF(p-CNF)を担体とし、PtRu/p-TCCNFを著者らの方法で調製した。 (多孔質CNFのMOR活性) 得られたPtRu/p-TCCNFについてECSA測定とMOR反応活性の測定を行い、従来のPtRu/TCCNFおよび市販のPtRu/Cと比較した。ECSAについては、PtRu/p-TCCNFは105 m2/g-PtRu とPtRu/TCCNF(91)やPtRu/C(63)に比べて高い値が得られた。メソ孔ができたことで担持可能な表面積が増えたことにより、触媒粒子の凝集が防がれ、利用率が向上したと考えられる。PtRu/p-TCCNFのMORの質量活性はPtRu/TCCNFに比べて約1.5倍、PtRu/Cの約3倍の高い値が得られた。CNFを多孔質化することによってECSAとMOR活性を大きく向上させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響および実験装置の不具合により、研究の進捗が7ヶ月ほど遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
PtRu/p-TCCNFを適用したMEAを作製し、DMFC発電特性と触媒層構造との関係を調査する。従来、CNF触媒層は嵩高い構造となり、層厚さが大きくなることで触媒の利用率が低下する問題があった。一方、開発した多孔質CNFを利用することで、触媒の担持密度を増大できることから、触媒層の厚さを低減できると考えられる。p-TCCNFに対するPtRuの担持割合を変えた触媒を調製し、それらを用いてMEAを作製し、DMFCの発電特性を測定する。また、SEM等により触媒層構造の観察、空隙率や厚さ等の構造パラメータを明らかにし、発電特性との関係を明らかにする。そして、高出力DMFCの実現を目指す。
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Research Products
(5 results)