2021 Fiscal Year Annual Research Report
バイオアクティブペプチド界面を利用したミグラソームの機能解析
Project/Area Number |
21H01726
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大河内 美奈 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (70313301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 祐圭 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (60533958)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生体膜小胞 / ミグラソーム / ペプチド / 細胞遊走 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、細胞がその移動の軌跡を示すようにリトラクションファイバーの交点などに形成する大きさ1μm程度の生体膜小胞であるミグラソームの機能解析を目的とする。本年度は、ミグラソームが基板上に形成されるという点に着目し、ミグラソームを安定に捕捉することができるペプチド界面を設計し、これをミグラソーム機能解析プラットフォームとして利用することとした。種々のインテグリンリガンドや生体膜親和性ペプチドをスポット合成法によりセルロース膜上に合成し、細胞と相互作用させることでミグラソームを捕捉する候補配列を選抜した。その後、選抜ペプチドを修飾したグラス基板上に細胞を播種し、その遊走能およびミグラソーム形成数を評価し、ミグラソームの捕捉に使用するペプチド配列を決定した。これらの結果、ミグラソーム形成やリトラクションファイバーの形成に有効なペプチド配列は、細胞種により異なることが示唆された。また、膜4回貫通型の膜タンパク質であるテトラスパニン4がミグラソーム膜に高発現するという知見から、緑色蛍光タンパク質とT2A-mCherryを融合したテトラスパニン4安定発現株を構築した。細胞イメージングにより、リトラクションファイバーおよびミグラソームにテトラスパニン4が高発現しリアルタイムイメージングが可能であること、ミグラソームには細胞質成分が内包されることを確認した。さらに、ペプチド修飾基板を用いた細胞遊走によるミグラソーム形成、細胞剥離による基板からのミグラソーム分画に関する諸条件について検討し、近接する細胞との情報伝達機能の解析に向けた要素技術を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、細胞がその移動の軌跡を示すようにリトラクションファイバーの交点などに形成する大きさ1μm程度の生体膜小胞であるミグラソームの機能解析を目的とした。本年度は、ミグラソームが基板上に形成されるという点に着目し、ミグラソームを安定に捕捉することができるペプチド界面の設計、ミグラソームおよびリトラクションファイバーの蛍光イメージングを可能とする緑色蛍光タンパク質融合テトラスパニン4安定発現株の構築について進め、初年度として当初計画した内容を順調に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、ミグラソーム機能解析プラットフォームとして設計したペプチド界面を構築し、ミグラソームを介した近接細胞間の情報伝達について機能解析を行う。
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Research Products
(15 results)