2021 Fiscal Year Annual Research Report
シングルセルゲノムデータに基づく未培養微生物の戦略的資源化プロセスの開発
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21H01733
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
細川 正人 早稲田大学, 理工学術院, 准教授(任期付) (60722981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 洋平 早稲田大学, ナノ・ライフ創新研究機構, 次席研究員(研究院講師) (90867277)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シングルセル解析 / マイクロ流体デバイス / ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、1細胞ゲノミクスとマイクロ流体技術を活用して、環境試料に存在する微生物の素性を明らかにし、最適な培養法を設計する「ゲノムデータに基づく戦略的微生物培養プロセス」を開発する。「単離培養を繰り返し、新規・有用微生物のヒットを期待する」という古典的・労働集約的な方法に対して、我々が提唱する新法では、「新規・有用種の存在・特性を事前に検知し、培養条件を事前に最適化して対象物を釣り上げる」という合理的なアプローチを微生物培養に採用することを目的としている。対象試料中の微生物種の推定と培養法の最適化には、未培養微生物の全ゲノム情報の網羅的取得が求められる。そこで、代表者が開発した網羅的なシングルセルゲノム解析技術(SAG-gel)を基盤技術として用いる(Chijiiwa et al. Microbiome 2020)。 初年度は、シングルセルゲノム解析技術(SAG-gel)を改良して、一度に千個を超える微生物シングルセルゲノムデータを取得する手法を確立し、さらに生菌特異的なシーケンス技術(PMA-SAG-gel, Hosokawa et al. Sci. Rep. 2022)を開発し、目標を達成した。第2年度は、大規模シングルセルシーケンス技術の論文報告に向けて、手法の最適化とデータ拡充を進める。このほかに、シングルセルトランスクリプトーム解析技術へも展開する予定である。また、ここまでに確立したデータ取得技術を用いて、特定の微生物から単離・培養条件を推定し、微生物集団からの単離培養を試みる。これには標準的なプレート培養のほか、マイクロ流体デバイスを用いた培養も検討する。対象はおもに土壌細菌やヒト常在菌を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目的としていたシングルセルゲノム解析のハイスループット化対応および生菌特異的なシーケンス技術の開発を達成し、目標としていた技術改良を達成し論文報告した(PMA-SAG-gel, Hosokawa et al. Sci. Rep. 2022)。一方で、大目的である培養の検証に関しては今後に課題を残している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに確立したゲノムデータ取得技術を用いて蓄積したゲノムデータから、特定の微生物を選択し、そのゲノムデータから単離・培養条件を推定する。 必要な分子標識ツールおよび培養条件を設計し、微生物集団からの単離培養を試みる。
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Research Products
(12 results)