2023 Fiscal Year Annual Research Report
電子状態イメージングと第一原理計算を融合した原子層材料のエッジ物性創発
Project/Area Number |
21H01757
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 克明 東北大学, 理学研究科, 准教授 (70547306)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 原子層材料 / ARPES / MBE / エッジ状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分子線エピタキシー法で作製した単原子層薄膜の電子状態を角度分解光電子分光によって可視化(イメージング化)し、ある端構造を持つ原子層構造を定義することで得られる電子状態の理論計算スクリーニングを行うことによって、原子層材料の終端構造を特定し、エッジ構造に起因した特異エッジ電子物性を創出が目的である。 3年度目となる本年度は、水素終端したSiC上へのSb蒸着によるアンチモネンの2DTI原子層およびa-Sb のラシュバ絶縁体の作製とそれらの電子状態解析に取り組んだ。その結果、a-Bi と同様な構造を持つa-Sbの作製条件を見出すことに成功した。a-Sbがスピン軌道相互作用と空間反転対称性の破れによって生じるラシュバ絶縁体であることを証明するために、初年度に立ち上げた第一原理計算プログラムワーキングステーションとARPES実験によるその場電子状態解析を行ったところ、a-Biと同様なラシュバ絶縁体的電子状態をa-Sbが形成していることを見出した。さらに、a-Biにおいてスピン分解ARPESを行うことで、面内方向にスピン偏極したラシュバ絶縁体であることを実証した。また、2DTI候補物質のWTe2における第一原理計算プログラムワーキングステーションとARPES実験による電子状態解析も進めた。その結果、内部座標系の変化に伴う電子状態の変化を理論・実験によって見出した。この結果は温度減少に伴う負の膨張係数の存在を示唆する結果である。 本研究によって立ち上げたワーキングステーションによって、ある結晶構造を仮定して電子状態をその場で計算し比較する研究の流れを円滑に進めることができた。今後もワーキングステーションを活用して結晶構造と電子状態の関係性から電子物性解明を進めたいと考えている。同様に2DTIのエッジ状態の解明にも活用していきたいと考えている。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(29 results)
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[Journal Article] Antiferromagnetic topological insulator with selectively gapped Dirac cones2023
Author(s)
14.A. Honma, D. Takane, S. Souma, K. Yamauchi, Y. Wang,K. Nakayama, K. Sugawara, M. Kitamura, K. Horiba, H. Kumigashira, K. Tanaka, T. Kim, C. Cacho, T. Oguchi, T. Takahashi, Yoichi Ando, and T. Sato
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 14
Pages: 7396-1-8
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] マイクロARPESによる粉状半導体r-BSの電子状態2024
Author(s)
菅原克明, 日下陽貴, 川上竜平, 柳沢幸紀, 本間飛鳥, 相馬清吾, 中山耕輔, 宮川仁, 谷口尚, 北村未歩, 堀場弘司, 組頭広志, 高橋隆, 折茂慎一, 豊田雅之, 斎藤晋, 近藤剛弘, 佐藤宇史
Organizer
第37回 日本放射光学会年会・放射光科学 合同シンポジウム
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[Presentation] マイクロARPESによる粉状半導体r-BSの電子状態2024
Author(s)
菅原克明, 日下陽貴, 川上竜平, 柳沢幸紀, 本間飛鳥, 相馬清吾, 中山耕輔, 宮川仁, 谷口尚, 北村未歩, 堀場弘司, 組頭広志, 高橋隆, 折茂慎一, 豊田雅之, 斎藤晋, 近藤剛弘, 佐藤宇史
Organizer
第71回 応用物理学会春季学術講演会
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[Presentation] マイクロ ARPES による Te(0001)の電子状態イメージング2024
Author(s)
中山耕輔, 徳山敦也, 山内邦彦, 守谷歩美, 加藤剛臣, 菅原克明, 相馬清吾, 北村未歩, 堀場弘司, 組頭広志, 小口多美夫, 高橋 隆, 瀬川耕司, 佐藤宇史
Organizer
日本物理学会2024春季大会
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[Presentation] 高分解能ARPESによる遷移金属ダイカルコゲナイドNiSe2のバンド構造2024
Author(s)
中山耕輔, 徳山敦也, 山内邦彦, 守谷歩美, 加藤剛臣, 菅原克明, 相馬清吾, 北村未歩, 堀場弘司, 組頭広志, 小口多美夫, 高橋 隆, 瀬川耕司, 佐藤宇史
Organizer
日本物理学会2024春季大会
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[Presentation] Systematic evolution of electronic structure in monolayer TiXc2 (Xc = S, Se, and Te)2024
Author(s)
Koki Yanagizawa, Tappei Kawakami, Kosuke Nakayama, Katsuaki Sugawara, Seigo Souma, Miho Kitamura, Koji Horiba, Hiroshi Kumigashira, Takashi Takahashi, and Takafumi Sato
Organizer
APS March Meeting 2024
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[Presentation] Novel Antiferromagnetic Topological Insulator NdBi Studied by Micro-ARPES2024
Author(s)
A. Honma, D. Takane, S. Souma, K. Yamauchi, Y. Wang, K. Nakayama, K. Sugawara, M. Kitamura, K. Horiba, H. Kumigashira, K. Tanaka, T. K. Kim, C. Cacho, T. Oguchi, T. Takahashi, Yoichi Ando, and T. Sato
Organizer
APS March Meeting 2024
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[Presentation] High-resolution ARPES study of monoatomic bismuth and antimony thin films on SiC2023
Author(s)
Asuka Honma, Daichi Takane, Seigo Souma, Kunihiko Yamauchi, Yongjian Wang, Kosuke Nakayama, Katsuaki Sugawara, Miho Kitamura, Koji Horiba, Hiroshi Kumigashira, Kiyohisa Tanaka, Timur K. Kim, Cephise Cacho, Tamio Oguchi, Takashi Takahasi, Yoichi Ando and Takafumi Sato
Organizer
The 7th Symposium for the Core Research Clusters for Materials Science and Spintronics and the 6th Symposium on International Joint Graduate Program in Materials Science and Spintronics