2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel interfacial solid-phase reaction using excitation process
Project/Area Number |
21H01764
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 和久 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 准教授 (70314424)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 励起プロセス / 内殻電子励起 / 界面固相反応 / 金属シリサイド / 微細パターニング |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの結果をもとに成膜プロセスを改善して、成膜時のFeO生成を抑制することにより、電子照射による生成物はFe2Si単相であることを確認した。Fe2Siの形成はEHFモデルに基づく予測と一致している。この結果をもとに、a-SiOx/α-Fe/a-SiOx積層薄膜(x~1.5)ならびにa-SiO2/α-Fe/a-SiO2積層薄膜を作製し、電子励起による固相反応に及ぼす酸素濃度の影響と溶質元素の拡散について検討を行った。その結果、酸素濃度にかかわらず三方晶Fe2Siが生成したが、Fe/a-SiOx界面の方がFe2Si形成の傾向が顕著であることが判明した。これはa-SiO2と比較してa-SiOxの方が解離しやすいためと推察される。高分解能TEM観察の結果、Fe2Siは約10 nmサイズの領域に形成され、それらが電子照射領域内に分布していることが判明した。このようなFe2Siの生成は90 Kでの電子照射においても生じたが、Fe2Si生成量は室温の場合と比較して減少した。これは、原子移動に熱活性化過程が寄与していることを示している。STEM-EDS元素マッピングの結果、電子照射により顕著な粒成長が生じた領域において、SiOxの周囲をFeが取り囲んでいることが明らかとなった。さらに、断面試料を用いてSTEM-EDS元素分析を行ったところ、電子照射領域のFe/a-SiOx界面においてSi濃度が増加していることが判明した。これは、電子励起による解離生成物(Si)の原子移動を示唆している。以上の結果、Fe/a-SiOx界面での電子励起に起因したa-SiOxの解離によりSiが生成し、これがFe2Siに寄与することが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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