2021 Fiscal Year Annual Research Report
Separation of surface and bulk recombination velocities of carriers in SrTiO3 for optimization of photocatalytic performance
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21H01828
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 正史 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80362317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
潘 振華 中央大学, 理工学部, 助教 (90870551)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | SrTiO3 / キャリア / 再結合 / 表面 / 結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
SrTiO3の単結晶に対して、マイクロ波光導電減衰法によるキャリア再結合現象を観測した。その実験で得られた信号に対して、キャリアの拡散と再結合を考慮した数値計算をフィッティングすることにより、SrTiO3単結晶の内部と表面の再結合速度の切り分けに成功した。ここでは波長の異なる2種類のレーザーを用いた測定により、キャリアの分布を変化させ、それに応じた計算モデルを用いることにより、その切り分けを成功させたが波長が2種類のレーザを用いたフィッティングのため、得られた値の精度が若干悪かった。そのため現在、斜め研磨により膜厚を変化させた単結晶を用いた実験と解析により、さらに高い精度での表面再結合速度の見積もりをしており、結果が出つつある。この表面再結合の高精度評価については、近く論文発表する予定である。 またSrTiO3単結晶に対するNbドーピングの影響も時間分解フォトルミネッセンスにより観測し、バンドギャップ内の準位を仮定した速度方程式により、実験結果を再現した。その結果、Nbドーピングによる準位は空間的にはSrTiO3材料内部に存在し、エネルギー的には価電子帯近傍に存在することがわかり、この準位がキャリア再結合の温度依存性を生み出していることが判明した。 以上のようにSrTiO3光触媒のエネルギー変換効率を向上させる材料設計に必要な、表面と内部の再結合を切り分けて定量化するという目標に対して、確実に成果が得られてきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SrTiO3の表面と内部の再結合の切り分けに無事成功しており、斜め研磨された試料を用いることで高精度測定にも着手している。また、助触媒の影響を観測する実験、および水溶液界面の影響を観測する実験の準備もできており、2022年度においても期待通りの成果が得られると考えている。したがって、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように、斜め研磨を用いた表面再結合の高精度定量についてはある程度結果が得られているため、今後論文としてまとめていく。 また、キャリア再結合に対する助触媒の影響を、複数の助触媒材料を用いることで観測する準備が整っているため、今後は観測および解析を行う。さらには、水溶液の影響観測についても準備が整いつつあり、今後実験を進めていく。 これらを実施することで、本研究の目標を達成する。
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Research Products
(4 results)