2022 Fiscal Year Annual Research Report
インチサイズダイヤモンド単結晶ウェハ上の結晶成長メカニズムの解明
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21H01832
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山田 英明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究チーム長 (90443233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大曲 新矢 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (40712211)
嶋岡 毅紘 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (80650241)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ダイヤモンド / 熱フィラメントCVD / 不純物ドープ / 熱流体シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主眼の一つであるドーピングの制御において、基板温度は基本的且つ支配的な成膜パラメータの一つである。実際、基板温度に対するドーピング濃度依存性は、熱フィラメントCVDに限らず多数報告されている。一方で、プラズマCVDにおいては、紫外から赤外まで幅広い波長領域でプラズマからの発光があるため、光学的な測定手法では基板温度を測定することが容易ではない。一方で、熱フィラメントCVDにおいても、フィラメントからの発光強度が支配的なため、近接して設置している基板からの発光のみを捉えることが難しく、非接触での測定が容易ではない。そこで、本年度は、熱電対を用いた基板温度測定準備を実施した。 基板を模擬したMo製のダミー基板とそれを支持する治具を作製し、設置による熱抵抗の変化を軽減できる状態にして、熱電対をこのダミー基板に挿入し、温度を測定した。治具とその下にある水冷ホルダーの間の熱抵抗を変化したところ、熱抵抗として挿入したSi基板の枚数に応じて線形状に温度が上昇した。フィラメント温度上昇に対しても同様に正の相関を確認した。原料ガス圧力を上昇させると基板温度は低下した。気相の熱伝導による冷却効果が増したためと思われる。一方で、基板とフィラメント間の距離を15mmから10mm程度増やしても、数10度程度(立上げ毎の温度の変動範囲程度以下)の温度変化しかなかった。これは、基板温度を決める要因として輻射が支配的であることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
熱フィラメントCVD装置の制御系に不具合が生じ、復帰作業に数か月を要した。また、熱電対の配置実験にいおいても、測定子の破壊などが相次いで、トライ&エラーの期間を要した。このため、温度計測のための準備作業が大半を占めることとなり、成膜実験へ至る時間が確保できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
22年度に用意した配置にて、Bドープ膜の成膜を単結晶基板上で実施する。 温度変化に対するドーピング濃度を測定する。並行してシミュレーションにより、装置内全体の温度分布の確認も行い、熱電対の配置位置を再検討する。
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Research Products
(1 results)