2022 Fiscal Year Annual Research Report
自己触媒成長技術によるシリコン基板上新規ナノワイヤ構造・レーザーデバイスの創出
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21H01834
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Research Institution | NTT Basic Research Laboratories |
Principal Investigator |
章 国強 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, フロンティア機能物性研究部, 主任研究員 (90402247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
俵 毅彦 日本大学, 工学部, 教授 (40393798)
日比野 浩樹 関西学院大学, 工学部, 教授 (60393740)
徐 学俊 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, フロンティア機能物性研究部, 主任研究員 (80593334)
滝口 雅人 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, ナノフォトニクスセンタ, 主任研究員 (90728205)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 半導体 / ナノワイヤ / ナノ構造 / 発光ダイオード / InP / InAs / レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に新しいMOCVD装置導入した.新装置は1000℃まで加熱可能、開口部のSi表面自然酸化膜の除去できるようになった.Si基板上の触媒インジウム微粒子の位置制御できるようになった。今年度にSi基板上にInPナノワイヤのエピタキシャル成長関連実験を行った。直径細い(<~100nm)ナノワイヤはSi基板上に垂直成長が可能だが、直径大きいナノワイヤは横方向成長しやすいと分かった。これらの結果を基づき、成長のモデルを提案した。InP/Siの格子不整合が極めて大きい(8.06%)ため、島状の成長モッドになりやすいので、横方向成長になってしまう。ただ、ナノワイヤ直径細い場合は歪に強い(格子変形しやすい)ため、layer-by-layer成長モッドになれる。Si基板上のレーザデバイス実現のために、新しい解決策を含めて、現在検討し続けている。 InPなどの化合物半導体ナノワイヤでは、ほとんど(111)Bの成長方位であり、積層欠陥が生じやすい現状である。高品質ナノワイヤ構造⇒高性能光・電デバイス実現のために、積層欠陥を減らないといけない。一つの有効な方法として、(111)B方位ではなく、(111)A方位成長させると積層欠陥が少ないという実験が報告された。ただ、安定的な作製方法更に配列成長技術はまだ、確立されていない。今期開口部が加工されたInP(111)A基板用いて、インジウム微粒子を形成してから、InPナノワイヤ成長実験を試みた。結果として、(111)A方位を持つInPナノワイヤ配列技術を確立できた。透過電子顕微鏡の測定結果では、同じ条件で成長した(111)B方位持つInPナノワイヤに比べて、積層欠陥が大幅に減少したことを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度に2021年度に導入された新しいMOCVD装置用いて、極性制御・配列制御・ヘテロ構造ナノワイヤ特性解明などの研究を展開した.今年度では、以下の研究進捗が有った: 1.InP/Siの格子不整合が極めて大きい(8.06%)ため、島状の成長モッドになってしまうので、横方向成長になりやすいことを分った。ナノワイヤ直径細い場合は格子変形しやすいため、垂直成長できる可能性(更に垂直配列制御)を見出した。 2.今まで、自己触媒法でのInPナノワイヤの(111)Aの極性制御はまだ課題として残されている。(111)A方位成長させると積層欠陥が少ないため、高品質ナノワイヤ構造⇒高性能光・電デバイス実現が有望になる。今期、開口部が加工されたInP(111)A基板用いて、初期核形成などを精密に制御でき、(111)A方位を持つInPナノワイヤ配列技術を確立できた。 3.我々の自己触媒法InP/InAs/InP軸方向ヘテロ構造ナノワイヤは、直径1μm超・3.2%の高い格子不整合にもかかわらず、コヒーレントな界面を保っていることが解明してきた。しかし、これは今までの理論では考えられない結果であり、界面特性・格子変形機構を完全に解明する必要がある。昨年10月末頃、SPring-8放射光を用いて逆空間マッピング法で格子界面の状態や歪緩和のメカニズムを完全に解明する提案申請書を作成し、JASRIに申請した。今年2月中旬頃、SPring-8放射光施設で三日間の測定を行った。InAs活性層(20nmの厚さまで)の回折スポット信号を取ることに成功した。現在関連実験・測定などを進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策 1.開口部を持つ誘電体(SiNx)マスク付きSi基板を用い,垂直なInP/InAsヘテロナノワイヤ配列をエピ成長する技術を確立する; 2.計算によってSOI基板上に集積した光共振器構造の最適化を行う; 3.通信波長帯の電流注入レーザーデバイス動作実現.
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