2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21H01850
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高橋 栄治 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, チームリーダー (80360577)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 数サイクルレーザー / アト秒パルス |
Outline of Annual Research Achievements |
水の窓域を連続スペクトルでカバーし,且つナノジュール級の出力を持つ単一アト秒パルスを得る為に,キャリアエンベロープ位相 (CEP) が安定化された100ミリジュール級・数サイクル中赤外レーザーをDC-OPA法を用いて開発した. 希ガスとの非線形相互作用による自己位相変調効果を用いて 0.8 um 光の広帯域化を行い,その後,広帯域化された 0.8 um 光パルスの長波長と短波長成分による自己差周波発生 (DFG) により,パッシブにキャリアエンベロープ位相 (CEP) 安定化された広帯域中赤外シード光(1.2 - 2.2um) を得た.発生した広帯域中赤外シード光に対して音響光学素子 (AOPDF) により分散を付加しDC-OPA のシード光として使用した.付加する分散量については事前に数値シミュレーションにより最適値の予測を行い,そのパラメーターを AOPDF に入力している.広帯域な DC-OPA 増幅を実現する為,非線形結晶に BiBO Type-I を使用した,増幅ステージは 3 段により構成されており,BiBO 結晶の厚み及びポンプ強度は,増幅率及び帯域幅から最適な値を実験的に決定した.結果,1.2 um から 2.3 um 域の一オクターブに迫る広帯域な DC-OPA 増幅を実現することに成功した.また出力エネルギーとして 105 mJ が得られており,フーリエ限界パルス幅まで圧縮することで 10 テラワットを越すピークパワーを持つ数サイクルレーザーの実現に目処が立った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した通り,数サイクルを実現する増幅帯域を DC-OPA により実現できている.また出力エネルギーも 100 mJ を超えており,計画に従った成果となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
得られた増幅パルスのビーム特性や集光性能の評価行う.またパルス圧縮実験に取り組み数サイクル (< 10 fs)のパルス幅を実現する.パルス圧縮機としてフッ化カルシウムもしくはサファイヤのバルクをテストす予定である.
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