2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of energy harvesting sensors using magnetic moment change
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21H01868
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
甘蔗 寂樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10544083)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エネルギーハーベスティング / センサ / 環境発電 / 磁気モーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、磁気モーメントの変化を用いたエネルギーハーベスティングセンサの構築と実現に向けた基礎検討を行う。磁性体が温度により形成する磁場に差異が生じることを確認しており、この現象を利用して、温度を測定するというエネルギーハーベスティングセンサのコンセプトを提案している。そこで、2021年度はキュリー温度付近において、正確な温度を測定するために、磁性体の物理・化学の特性を把握するとともに、複数の磁性材料からなる複合材料の作製とその利用可能性について基礎検討を行った。 1)誘導起電力の増幅を目指し、磁性体の物理・化学的な特性を把握した。まず、実験に用いる磁気回路内の磁束の分布をガウスメータにて測定し、磁性体を磁気回路内に配した際に生じる変化を正確に測定できるようにした。その後、代表となる磁性体を選定し、その物理・化学特性の把握を行った。この実験で計測できる値の一例は、磁気回路内に配した磁性体付近の磁束密度である。この測定した磁束密度から、磁性体の磁化率を推算した。また、磁気回路外においても同様に磁束密度の変化を測定する実験を行った。また、磁性体ごとの熱・化学的特性を文献調査と簡易な実験により調査・検討した。 2)取得するデータの範囲を拡張するための磁性体の作製を行った。2021年度は主にキュリー温度が35℃以上となる磁性体材料を調査し、提案するワイヤレスセンサに適した材料の選定を行った。また、その磁性体材料の構造などについても調査・分析を行った。 上記、1)、2)の検討から提案するセンサの具体的な利用先を想定し、2022年度以降に実施する非接触エネルギーハーベスティングセンサの具体的イメージを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析機器や試薬の納入時期が遅れたが、今年度計画していた実施内容を全て達成することができたと考える。また、検討結果からセンサの具体的な利用先を想定できた部分については、計画以上に進展しているといえるが、この部分については今後変更する可能性もあることから、計画通り順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り進んでいるため、大きな変更は予定していないが、今後、作製する複合材料の物理・化学特性がこれまでの検討で用いてきた材料と大きく異なると分かった場合は、その材料について改めて実験を行い、特性を把握する。 計画通り、具体的な非接触エネルギーハーベスティングセンサの構築と取得データ範囲を拡張する複合材料の作製を行う。
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Research Products
(2 results)