2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21H01919
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久木 一朗 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (90419466)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 水素結合 / 多孔質構造体 / 構造転移 / フォトクロミック / 単結晶 / 外部刺激応答性 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機分子から構成される多孔質構造体は、分子に応じて構造体内部の空孔の形、大きさ、および化学的・電子的性質を自在に設計、構築でき得る。本研究では、 所望の機能をプログラムした有機分子を水素結合で自発的に集積させた水素結合性有機フレームワーク(HOF)に、外部刺激によって可逆的にその構造と物性 (機能) をスイッチできる機能部位を組み込んだ「水素結合性ダイナ ミック空間機能材料」の創出を目的とした。可視光照射による可逆的な異性化反応が期待されるジヒドロジメチルピレン(DHP)のテトラカルボン酸誘導体を用いて、水素結合性の層状HOFを構築することに成功したが、4置換DHPの低い光異性化効率のために、このHOFは光応答性を示さなかった。そこで、より光異性化効率の高いジヒドロジメチルベンゾ[e]ピレンを中心骨格に導入したテトラカルボン酸類縁体を用いて、同様にHOFの構築を行った。このHOFも水素結合によって分子が連結された格子状シートが積層した構造をもつ。このHOFに可視光を照射すると、結晶の色が退色し光異性化が進行することを、単結晶X線構造解析によって明らかにした。本系は、結晶性と構造周期性を保ったまま光異性化が進行するHOFの初めての例である。 また、4,5,9,10-位にカルボキシフェニル基を導入したピレン誘導体は、2次元格子状のシートが積層した構造をもつHOFを与えるが、このHOFは空孔内に包接された芳香族分子を自発的に放出することによって格子が収縮し、芳香族分子に浸すと元の格子構造へ戻り、これらの構造変化は可逆的に進行することを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(25 results)